北陸新幹線が「イオン&阪急も直結」に!? “京都新駅案”やっぱり便利かも 一帯はまさに“大化けの歴史”
開業後5年で作り変え!?
ところが、戦争が終わってから開業した物集女駅には需要がなく、わずか2年で廃止されてしまいます。
さらに時代が下りキリンビールの京都工場が1999(平成11)年に営業を終了すると、地域の再開発が計画されたこともあり、2003(平成15)年に、阪急「洛西口」として再度駅が設けられたのです。
阪急電鉄で30年ぶりの新駅として注目されましたが、開業からわずか5年で全面的に作り直されます。これは事前に立体交差化が決まっていたためです。
開業時点では地平にホームが設置され、相対式の2面2線でした。開業時すぐに取り壊せるよう駅舎は簡素で、それぞれのホームに改札口があり、ホーム間をつなぐ地下道や跨線橋は設けていませんでした。ただ駅名標は景観に配慮し、竹をイメージした装飾が施されていました。
その後、2013(平成25)年に上り線ホームが高架化。2016(平成28)年に下り線ホームが高架化されて、現在に至ります。現在も相対式ホーム2面2線は変わりませんが、エレベーター1基、エスカレーター2基があり、上り下りの行き来は簡単です。
停車列車は普通と準急のみ。乗降人員は1万2608人(2022年)です。最大の特徴は高架下の「TauT阪急洛西口」で、隣の桂駅までの約1kmにわたり、京都で人気の店舗や地元企業が入居した商業エリアとなっています。
駅前にはバスロータリーもあります。駅の西側は住宅地となっており、物集女の地名も残っています。高架化されているので東西の行き来は容易であり、イオンモール京都桂川店への移動もしやすいことからか、周辺人口は急増しているようです。
実際に北陸新幹線がこの地域を通るかは未定ですが、通らなかったとしても開発余地があり、より発展するのではという印象を受けました。
【了】
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。
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