「21世紀のコンコルド」の試験機、小さすぎ!? なぜここまで“本番用の機体”と設計違うのか エンジン数すら揃ってない!

実用化されれば「コンコルド」以来の超音速旅客機「オーバーチュア」を手掛けるブームが、小型のテスト機「XB-1」を開発しました。しかし2機は設計の違いが各所にあります。なぜでしょうか。

なぜここまで設計が違くても大丈夫?

 XB-1の最高速度はマッハ2.2(約2717km/h)の予定で、搭載されているエンジンはJ85という1960~80年代の軽量戦闘機F-5に使われたものを積んでいます。もともと“標的用ドローン”のために開発されたJ85の推力はさほど高くありません。

 つまりXB-1は、今後作られるであろう「オーバーチュア」の試作機と全く異なる限られた目的でつくられたといえるでしょう。そのため、XB-1は速度など必要最低限の要求を満たせば、それ以上の性能を必要としないのです。XB-1のエンジン数が「オーバーチュア」より1基少ないのも、必要最低限の性能を確保しつつ、開発コストを抑えるため、と推測できるでしょう。

Large 20241027 01
ブーム「オーバーチュア」のコクピットシミュレーター(清水次郎撮影)。

 XB-1のような限られた目的のテスト機において、実際に計画する機体と設計が異なるのは、過去にも戦闘機を中心にありました。たとえばスウェーデンでは「ドラケン」戦闘機をつくるさいに、サーブ210「リルドラケン」という小型機を1952年に初飛行させて、「ダブルデルタ」と呼ばれる主翼平面形の特性を探っています。日本でも次期戦闘機開発へ向けて、ステルス機能を蓄積するなどの目的で製造されたX-2も、こうしたテスト機に当たると言えるでしょう。

 航空機は「実際に飛ばしてみなければ分からない」といわれ、コンピューターのよる設計技術が進歩した今も、新型機開発において設計完了後にさらなる試行錯誤があるのは、いわば当たり前です。XB-1はこれを裏付けるもので、ブームは自身で実際の飛行データを採取・蓄積し、「オーバーチュア」の完成度を高めようとしているのだと想像できます。

【了】

【画像】試作機とだいぶ違う! これが「21世紀のコンコルド」完成版です

Writer:

飛行機好きが高じて、旅客機・自衛隊機の別を問わず寄稿を続ける。

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス