ホームじゃなくて“線路がベンチ”に!? 大胆すぎる旧駅の活用法 なぜか演歌が聞こえてくる台湾の「ミニ東京駅」とは?
北ぁのぉぉぉ 酒場通りにはぁぁぁ♪ が聴こえてきた!?
特にそう感じさせるのが、旧駅への「日本風デコレーション」です。桜を模したモニュメントが柱に掲げられ、旧プラットフォームには紅白幕や神社風の映えスポットも。また、BGMに『北酒場』などの日本の演歌を流す商店もあります。台湾にいるのに日本にいるような、でも、やっぱり明らかに何かが違うような不思議な感覚になります。
しかし、台湾人が長らく親しんだ旧駅、そしてこの旧駅を開拓した日本を大切に思ってくれることだけは強く感じることができます。これがとてもありがたく、同時に頭が下がる思いを抱きます。
前述の旧線路に設置されたベンチに佇むカップルや若者たちが、どんな思いでくつろいでいるかは分かりませんが、こういった台湾および台湾人からの思いに対し、私たち日本人はどんな態度をとるべきでしょうか。来年2025年は日本が戦争に敗れ、台湾から撤退してから80年の節目。さらに友情を深めていきたいと筆者は思いました。
「台中駅鉄道文化園区」の旧駅から新駅をつなぐ場所には「鐡鹿大街」というグルメスポットもあります。新幹線にあたる高鐡の台中駅からは少し離れていますが(接続駅である新烏日駅から在来線で3駅)、ぜひ台鉄の台中駅まで足を伸ばし、旧駅と新駅を散策してみてはいかがでしょうか。
【了】
Writer: 松田義人(ライター・編集者)
1971年、東京都生まれ。編集プロダクション・deco代表。バイク、クルマ、ガジェット、保護犬猫、グルメなど幅広いジャンルで複数のWEBメディアに寄稿中。また、台湾に関する著書、連載複数あり。好きな乗りものはスタイリッシュ系よりも、どこかちょっと足りないような、おもちゃのようなチープ感のあるもの。
コメント