最強ステルス戦闘機なぜ使わない?『トップガンM』撮影は旧式F/A-18じゃないとムリ! その理由
2人乗れないと映画は無理
本作未視聴の人がいるかもしれないので多くは語りませんが、劇中でF-35Cが使われなかった理由はしっかりと説明されています。しかし、それとは別に制作するにあたってF/A-18でないと撮影できなかった、すなわちF-35Cでは無理だった現実的な理由があります。
まず挙げられるのは、実機を使ったコックピット撮影をするには複座型があるF/A-18しか選択肢がなかった点です。
本作の飛行中のコックピットシーンの多くは、実際に俳優たちが本物のF/A-18に乗り込んで撮影しています。しかし、アメリカ国防総省の規定ではアメリカ軍の軍用機を民間人が操縦することを禁じているため、撮影では複座型のF/A-18Fが使われ、前席で現役アメリカ海軍パイロットが操縦し、後席に俳優たちが乗り込んでいました。このような撮影は複座型がない、ひとり乗りしか存在しないF-35Cでは不可能です。
撮影用のカメラは、前席と後席のあいだのコックピットコンソールの上部に4台、キャノピーのフレーム部分に2台の、計6台設置していました。カメラは「GoPro」に代表される小型のウェアラブルカメラではなく、ソニー製のシネマカメラ「VENICE」が使われ、これら機材の総重量は40ポンド(約18kg)にもなったそうです。また、迫力ある空撮シーンを撮影するために、コックピットとは別に機体外部にも4台のカメラが搭載されています。
そのため、設置作業は改造や新しい専用マウントを用意する大規模なものとなり、アメリカ海軍の技術者が協力して作業を実施し、最終的には衝撃・振動・風洞試験まで行って安全性と機能確認が行われました。
このような大がかりな設置作業は、F-35では機密性の高さやステルス機ゆえに難しかったと思われます。
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