神出鬼没「ドクターイエロー」がダイヤ公表!? 空撮で夕方の回送線を撮ったら“黄色が映えた”!
高高度から、周囲の情景を入れつつ
大井車両基地~田町間はほぼ羽田空港の管制圏内となり、北向きの離陸機がちょうど上昇しながら右旋回する場所です。当然、旅客機が最優先なので、鉄道を撮るのに適した低い高度での許可は降りにくく、空撮計画段階から高めの高度に設定しました。
T4編成は、出入庫線の一番外側で待機していました。南側の先頭部はN700系と揃い、白い車体群と並んでひとつの鮮やかな黄色い車体が、発車の時を待ちます。15時20分過ぎにじわりじわりと黄色い車体が動き始めました。
回送線を行く姿は普段見られることもなく新鮮で、ビル影から鮮やかな黄色い顔を覗かせた瞬間を捉えつつ、周囲の情景を入れながらワイド気味にもトライ。ただ、いかんせん夕方の斜光です。どのカットも同じような空気感になってきて、これ以上のバリエーションは望めそうもないと、本線と合流した時点で撮影終了としました。
夕方の光線を浴びるドクターイエローは、改めて見返すと郷愁感もあってなかなか良いものでした。T4編成の引退までもう秒読み。鮮やかな車体とあと何回出会えるのでしょうか。
【了】
Writer: 吉永陽一(写真作家)
1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。
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