「世界一長~い列車」って? 長さ“1km超え”とかザラ!? 実は“日本だけ長くなってない”ことの深刻さ
「世界一長い列車」それはもちろん貨物列車ですが、まさに“とんでもない”長さです。一方で日本一長い列車はまだ“メートル級”で、30年変わっていません。列車の長さから、世界が見えてきます。
日本一長い列車は?
日本で一番長い列車は何でしょうか。国内旅客列車の最長は東海道新幹線N700Sの16編成、404mが知られていますが、それよりも長い列車があります。
JR貨物のコンテナ貨物列車の最長は、貨車26両+機関車で約540m 、78TEU(20フィートコンテナ78個分)で、新幹線より130m以上も長いのです。
かつては北海道で長さ500m級の石炭列車も走っていました。貨物は効率が優先され、可能な限りまとめて運ぶので、貨物列車は長くなります。とはいえ、貨物列車はどこまでも長くはできません。
待避や行き違いで使う側線や副本線の長さで決まる有効長、坂に応じて機関車が牽引できる重さの限界で決まる牽引定数、所定の距離内で停車しなければならない制動距離、さらに電気機関車の場合は変電所の容量、都市部などでは踏切閉鎖時間などの制約があります。特に日本の場合は、有効長と勾配区間の牽引定数が大きく影響します。
では世界一長い貨物列車はどこを走っているでしょうか。
南アフリカのサルダナ港と内陸部の鉱山を結ぶ鉄鉱石列車は、最大351両、軸重30t、輸送量3万4200t 全長はなんと“4.2km”。端から端まで歩いたら1時間以上はかかる長さです。前後と中間2か所の計4か所に電気機関車が入り、無線総括制御で疾走します。
変電所を減らすために、世界一高い電圧(交流5万V:新幹線の2倍)で電化され、究極まで効率を追求しています。日本と異なり旅客列車が走らない砂漠地帯の貨物線用鉄道で、踏切もほぼ無いので、こんなに長くできるのでしょう。
この世界最長列車が走る線路の幅が、日本のJR在来線と同じケープゲージ(3フィート6インチ、ただし南アフリカは日本より2mm狭い1065mm)というのは面白いところです。
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