「世界一長~い列車」って? 長さ“1km超え”とかザラ!? 実は“日本だけ長くなってない”ことの深刻さ
「世界一長い列車」それはもちろん貨物列車ですが、まさに“とんでもない”長さです。一方で日本一長い列車はまだ“メートル級”で、30年変わっていません。列車の長さから、世界が見えてきます。
30年間変わらない日本の「列車の長さ」って…
こうして欧州では、多くの国を跨って障壁を取り除き、港から内陸までコンテナをシームレスに鉄道輸送するルートを作っています。これは道路依存度を下げ、環境対策や人手不足に対応しつつ物流効率を上げて、港湾の国際競争力も高めています。
日本は欧州に比べ、一つの国で鉄道の規格も基本は同一なのですが、大量輸送モードの船と鉄道がつながっておらず、大多数の国際コンテナが自動車輸送されています。
世界各国が莫大な投資で長い貨物列車を港から内陸に直通させ、輸送効率と国際競争力を上げているなか、日本は民間企業のJRに任せきりで国による鉄道インフラ投資がほぼなされていません。むしろ鉄道貨物の輸送力は徐々に減らされています。
日本だけ鉄道貨物が減少し、人手不足に陥り、港湾の国際競争力を落とし、物流は立ち遅れています。30年間変わらない貨物列車の長さがこれを示しています。
【了】
Writer: 山田和昭(日本鉄道マーケティング代表、元若桜鉄道社長)
1987年早大理工卒。若桜鉄道の公募社長として経営再建に取り組んだほか、近江鉄道の上下分離の推進、由利高原鉄道、定期航路 津エアポートラインに携わる。現在、日本鉄道マーケティング代表として鉄道の再生支援・講演・執筆、物流改革等を行う。
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