「世界一長~い列車」って? 長さ“1km超え”とかザラ!? 実は“日本だけ長くなってない”ことの深刻さ

「世界一長い列車」それはもちろん貨物列車ですが、まさに“とんでもない”長さです。一方で日本一長い列車はまだ“メートル級”で、30年変わっていません。列車の長さから、世界が見えてきます。

アメリカは? 中国は?

 他国はどうでしょう。中国は「鉄路先行政策」により各地で鉄道建設が進んでいますが、最長列車は大秦線の石炭列車が1万6800t、約2.6kmです。

 貨物列車が長いと言えば、米国が有名です。古くから「マイルトレイン」と呼ばれる、1マイル(約1.6km)を超える貨物列車が走っています。峠では連結器への負荷を下げるため、編成の中間にブースター(補助機関車)を入れ無線で総括制御を行う区間もあります。

 マイルトレインは、かつては石炭列車が主でしたが、港と内陸を結ぶインターモーダル・ダブルスタック(2段積み)コンテナ列車がここ30年で6倍に成長し、主役が置き換わりました。現在は日本のおよそ10倍に相当する750TEU列車が、標準になりつつあります。

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アメリカ、エルパソを走る貨物列車。中間にブースター(補助機関車)を連結(山田和昭撮影)。

 このような貨物列車を各地に直通させるため、アメリカは新線建設や橋・トンネルの改修やヤードの整備など、年平均230億ドルの設備投資を行っています。

 欧州は11の鉄道貨物回廊(RFC)を設定し、軸重22.5t 、列車長740mと、日本に比べ重量でおよそ2倍の輸送力がある貨物列車が直通できるように隘路の解消を続けています。

 これは信号方式を統一し、側線の有効長を伸ばすだけでなく、オランダのロッテルダム港からドイツ国境まで新線を建設したり、牽引定数の制限を解消するためアルプスに基底トンネル(山を登らず山裾から山裾へ直通する水平な長大トンネル)を3ルートも掘るといったりと徹底しています。EU(欧州連合)は2014年から2020年にはインターモーダル推進に110億ユーロも投資しています。

【地球のどこ?】「世界一長い列車」が走る場所(地図/写真)

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