誰が作った?「へんてこゼロ戦」映画やエアショーで大活躍! じつは自衛隊との数奇な縁も

日米戦を描いた戦争映画『トラ・トラ・トラ!』には、日本の零戦役として数多くの「実物の飛行機」が登場しています。これらは、傑作練習機T-6「テキサン」を改造して用意されましたが、中には日本の自衛隊から返還された機体も含まれていたそうです。

日本の空を飛んでいたT-6が零戦に!?

 改造のポイントは、外観優先でできるだけ零戦っぽく仕上げること。そのため、「テキサン」本来のタンデム複座のキャノピーは、零戦に酷似したフレームを用いた単座用キャノピーに変更されています。

 垂直尾翼の形状も、飛行性能に影響をおよぼさない範囲で零戦のように整形。特に胴体尾端の尖った飛び出しは、方向舵の下部に細工を施すことで再現しています。また零戦21型などの、エンジン後方や操縦席の前に見られる縦状の細いスリットも、寸法や形状はやや異なるものの、それっぽく設けられています。

 とはいえ、直上や直下などから見た平面形は零戦とはだいぶ異なっています。なぜなら主翼と水平尾翼の形状が違うからです。しかし、これらまで変更しようとすると、飛行特性や機体バランスが変わってしまい、飛行機としての根本的な飛行安定性すら損なってしまうため、さすがに手を付けられなかったそうです。

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静岡県にある航空自衛隊浜松広報館エアーパークに展示されているT-6「テキサン」練習機(柘植優介撮影)。

 ちなみに、零戦に改造されたT-6「テキサン」には興味深い背景があります。実は航空自衛隊が運用していたT-6と、海上自衛隊が運用していたSNJ(テキサンの海軍呼称)が用廃とされて書類上でアメリカに返却され、それが20世紀フォックスに払い下げられたとか。つまり本物の日の丸を描いて、日本の空を飛んでいた機体が零戦に「変身」し、再び日の丸を描かれて空を舞ったというわけです。

 なお、このとき払い下げられたテキサンの一部は、ヴァルティーBT-13「ヴァリアント」練習機と「ニコイチ」にされて、九七式艦上攻撃機へと“化けて”います。

【面影全然ない…】これも日本軍機に扮した「テキサン」です(写真)

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