整備新幹線決定から41年 未だ見えぬ全線完成
沿線自治体からの問題提起も
福岡市と長崎市を結ぶ九州新幹線(長崎ルート)については、武雄温泉~長崎間が着工されており、用地買収率は49%、工事着手率は72%です。そして博多~新鳥栖間は九州新幹線(鹿児島ルート)の線路を走り、新鳥栖~武雄温泉間は既存の在来線と、線路の幅が違う新幹線と在来線の両方を走れる「フリーゲージトレイン」を活用。整備計画の決定から49年後の2022年度に開業する見込みです。
ただ「フリーゲージトレイン」を使い、新鳥栖~武雄温泉間で在来線を通ることについて懸念も出ています。佐賀県武雄市は、この方式では山陽新幹線への直通に問題が出る、時間短縮効果が少ないといった課題があるとし、2014年8月26日に開催された「武雄市新幹線活用プロジェクト」の総会では、在来線の活用ではなく新幹線(フル規格)の建設を実現させよう、その気運を盛り上げていこう、という方向性が確認されました。
東京都と大阪市を長野市や富山市、金沢市経由で結ぶ北陸新幹線についても、懸案が解決されていません。
高崎(東京)~長野間は1997(平成9)年10月1日、整備計画の決定から約23年11ヶ月で開業しました。そして長野~金沢間は2015年3月14日、整備計画の決定から約41年4ヶ月で開業する予定です。
金沢~敦賀間についても工事が始まっており、用地買収率は4%で工事着手率は12%。整備計画の決定から52年後の2025年度に開業する見込みです。
ただ敦賀~大阪間については、福井県小浜市付近を通る「若狭ルート」、琵琶湖西岸を通る「湖西ルート」、琵琶湖東岸を通る「米原ルート」が考えられていますが、どれになるかは現在も決定されていません。2013年、関西広域連合は工期と建設費が少ないとして米原ルートの早期実現を図る方針を打ち出していますけれども、先行きは未だ不透明です。
このように整備新幹線の整備に長期間を要している最大の理由として、財源の問題が挙げられます。現在、政府・与党内などに建設が進んでいる北海道新幹線の新函館北斗~札幌間、北陸新幹線の金沢~敦賀間について完成を前倒しする動きがありますが、問題はやはりその財源です。前倒しの実現のため、JRが新幹線の施設使用料を支払わねばならない期間を延長するなどの案が出されています。しかし2014年11月5日、JR東日本の社長が「受け入れられない」と表明。先行きはやはり不透明です。
【了】
Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)
鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。
整備され便利になるのは良いことだが、過去の高度経済成長期で人口減の不安の全くなかった時代の政策をまるまる引き継ぎ、国民に後に直接的には見えない間接的な税負担をごまかし的に追加請求だくはやめてもらいたい!!
秋田へ行く路線図が間違ってますね
図にある福島~山形~秋田のルートは基本計画で告示された奥羽新幹線のルートであって、整備されたルートとは異なりますので誤解のないように。
また、実際に整備された山形・秋田新幹線は法的には新幹線では無く在来線となります。
茨城だけ通ってないのか…
東北本線と同じように古河市を通ってますよ。
あと北海道は苫小牧方面もいくルートあったのか