5列車でまかれたサリン 新幹線で解毒剤輸送も

「地下鉄サリン事件」から2015年3月20日で20年が経過しました。この事件では営団地下鉄(当時)の3路線5列車で毒ガスのサリンが散布され、解毒剤の輸送に新幹線も活用されています。

列車が都心部へさしかかる前に

 1995(平成7)年3月20日(月)、東京を走る営団地下鉄の3路線5列車内で、毒ガスのサリンがまかれるという事件が発生しました。営団地下鉄(帝都高速度交通営団)は2004(平成16)年、民営化されて現在の東京メトロになっています。

 サリンがまかれたのは以下の3路線、5列車です。液体のサリンが入ったビニール袋を尖らせた傘で刺すことで、散布が行われました。

■日比谷線
・午前8時頃、秋葉原手前を走行中の中目黒行き列車内。
・午前8時頃、恵比寿駅手前を走行中の東武動物公園行き列車内。

■丸ノ内線
・午前7時59分頃、御茶ノ水駅手前を走行中の荻窪行き列車内。
・午前8時頃、四ツ谷駅手前を走行中の池袋行き列車内。

■千代田線
・午前8時頃、新御茶ノ水駅手前を走行中の代々木上原行き列車内。

 どの路線においても、散布は列車が霞ヶ関や大手町といった都心部へさしかかる前、また駅に到着する直前に実行されています。犯人は散布後、共犯者の自動車で逃走しました。

不審物対策として中身が見えるようにされたゴミ箱(画像提供:東京メトロ)。

 この「地下鉄サリン事件」以降、東京メトロでは中身が見えるようゴミ箱を一部透明にする、ゴミ箱は駅員の目が届く改札口駅付近に設置する、防犯カメラを増設する、駅構内の巡回を強化するといった対策を実施しています。

 またこの事件では、東海道新幹線も被害者を助けるため活用されました。サリンの解毒にあたり「PAM(プラリドキシムヨウ化メチル)」という薬剤が使用されましたが、被害者の治療に充分な量が都内にありませんでした。そこで各地から「PAM」を集めることになり、東海道新幹線「こだま」を使って各駅で「PAM」を受領。東京へ運ぶという対応が行われています。

【了】

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道ライター、イラストレーター。「鉄道」や「旅」に関する執筆活動や絵本の制作を行っているほか、鉄道車両のデザインにも携わる。子供の頃からの旅鉄&撮り鉄で、日本国内の鉄道はJR・私鉄の全線に乗車済み。完乗駅はJRが稚内で、私鉄が間藤。メインは「鉄道」だが、基本的に「乗りもの」好き。

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