有料列車が急増 背景に鉄道会社の危機感
このところ追加料金で座れる列車が急増。そこには鉄道会社の危機感がみえてきます。
京王はJR中央線と対抗? 有料設定、今後も続くか
ほかにも、鉄道各社が収入源を増やすため、追加料金が取れる列車を設定しようとする試みがみられます。
首都圏では2020年度から、オレンジの帯を巻いたJR中央線の電車にグリーン車が導入される予定です。なお、京王電鉄が有料座席列車の導入を検討するということは前述しましたが、それはこのJR中央線グリーン車への対抗策とも受け取れます。
また京阪電鉄は2015年9月30日、京都と大阪を結ぶ「京阪特急」へ、2017年を目指して特別車両「京阪特急プレミアムカー(仮称)」を導入すると発表。8両編成のうち1両だけを座席指定車とするもので、そこへの乗車には運賃のほか特別車両料金が必要です。
すでに導入された各社の追加料金で座れる列車は、いずれも利用が好調。現在のところは、それだけ潜在的なニーズの掘り起しに成功しているといえるでしょう。今後も「乗り遅れまい」とする鉄道会社が続く可能性も考えられます。
ただ、今後の通勤・通学人口減で、いつかは混雑も減っていくかもしれません。そのときまで、はたして追加料金で座れる列車が必要とされ続けるのか、興味深いところです。
【了】
今まで快適な座席サービスを提供する車両は運用面での都合やラッシュ時の客から忌避され続けてきた。しかし、追加料金の増収分で運賃を値下げし、快適さを求める客には高価格を、そうでない客には低価格を、と分化させる試みがあってもいい。このコンセプトなら不況時にも耐えられる。