有料列車が急増 背景に鉄道会社の危機感
このところ追加料金で座れる列車が急増。そこには鉄道会社の危機感がみえてきます。
通勤時間帯に着席を保証
近頃、追加料金を必要とする座席定員制の列車が急増しています。これらの列車は、おもに通勤利用を想定した時間帯に運転されるのが特徴です。
これまで首都圏では、京急電鉄が品川駅から神奈川県の三崎口駅方面へ「京急ウィング号」(着席整理券200円)を運転。東武鉄道は池袋駅から埼玉県の小川町駅方面へ「TJライナー」(着席整理券310円)を走らせており、京成電鉄も朝に成田駅方面から上野駅へ向かう「モーニングライナー」、夜に上野駅から成田駅方面へ向かう「イブニングライナー」を運転しています(ライナー料金410円)。
そして京急は2015年12月7日(月)より、平日朝の上り列車にも“ライナー”を新設。「モーニング・ウィング号」の運転を開始します。
また東武は、2016年春のダイヤ改正から「TJライナー」を増発するほか、新たに平日朝の上り列車でも「TJライナー」の運転を始めます。
そのほか泉北高速鉄道(大阪府和泉市)は今年12月に行うダイヤ改正で、新たに和泉中央駅と南海の難波駅を結ぶ特急「泉北ライナー」の運転を開始するほか、京王電鉄は2015年5月に発表した中期経営計画で、有料座席列車の導入を検討すると明らかにしています。
こうしていま、各社が次々と、追加料金で座れる列車を増やす背景には、何があるのでしょうか。
テーマ特集「新生活に役立つ! 通勤ラッシュの乗り越え方から「座れる列車」「高速バス通勤」まで」へ
今まで快適な座席サービスを提供する車両は運用面での都合やラッシュ時の客から忌避され続けてきた。しかし、追加料金の増収分で運賃を値下げし、快適さを求める客には高価格を、そうでない客には低価格を、と分化させる試みがあってもいい。このコンセプトなら不況時にも耐えられる。