進化する電車シミュレータ モヤモヤ解消も

「リアルすぎで気持ち悪い」 さらに尖ったシミュレータも

「8090系運転シミュレーター」(1回300円)はリニューアル前から設置されていましたが、さらに進化しています。“ディープ”な方向に、です。

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館のリニューアルに伴い、「8090系運転シミュレーター」は映像を一新。予約システムも導入された(2016年2月、恵 知仁撮影)。

 開発した音楽館の東田さんは、制輪子の熱によってブレーキの効き具合が悪くなったり、電圧が変化するなど「よりリアルになった」と話します。カムや断流器の音も出るとのこと。鉄道の知識がないと意味が分からないかもしれませんが、それだけに、ここまでしているのは「おそらく世界初ではないか」といいます。このシミュレータを体験した本物の運転士さんのなかには、「リアルすぎて気持ち悪い」と言う人もいたそうです。

 とはいえ、「ガイダンス」「ノーマル」「エキスパート」の3モードが用意されているため、まったくの初心者だと難しいものの多くの人に、それこそ腕に自信のある人にも楽しんで貰えるのではとのこと。

 ちなみに、大井町線の旗の台駅から大井町駅までの区間が坂が多く、難しいそうです。また東横線の渋谷駅から代官山駅方面への下り列車も、場所的に初心者の人ほど選択しそうですが、地下から地上への登り坂のうえカーブが多く、実は難しいそうです。

「親子」から「ディープ」まで、いま様々な方向へ進化する列車の運転シミュレータ。将来の運転士確保に一役買うかもしれません。

【了】

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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