本数は極限まで少ない!? 神奈中バスの名物「レア路線」相次ぎ廃止に 「そんなルートあったの!?」ばかり
神奈中バスでは、東京都内と神奈川県内の路線の一部で休止や廃止の意向を表明しています。そのほとんどが“レア路線”ですが、どれだけレアなのでしょうか。
ファンにはよく知られた長~い路線
●桜84 相模原駅北口~南大沢駅~聖蹟桜ヶ丘駅
今回の廃止路線で唯一、京王エリアの多摩ニュータウン方面へ向かうのが「桜84」です。JR横浜線の相模原駅から京王相模原線の南大沢駅や多摩モノレールの大塚・帝京大学駅を経由して、京王線の聖蹟桜ヶ丘駅まで結びます。2024年時点で、神奈中バスと京王バスの共同で運行され、合わせて6往復が設定されています。
土休日は、京王バスが担当する便のうちの2往復半が南大沢駅~相模原駅間に短縮されて「南84」に変わりますが、こちらも運行を終える予定です。
「桜84」は歴史の長い路線で、16.7kmの距離を50分ほどかけて走っていますが、2025年3月28日(金)限りで廃止と、関東運輸局に届け出されています。
なお、南大沢駅~聖蹟桜ヶ丘駅間は「桜80」として京王バスが運行していますが、こちらは「桜84」と合わせて毎時3~4本が運行され、利用者の多い路線として引き続き運行されます。
●南01 南町田グランベリーパーク~東名横浜町田インター~若葉台中央
「南01」は、東急田園都市線の南町田グランベリーパーク駅と横浜若葉台団地を結ぶ路線で、2024年時点では休日の昼間に1往復だけ運行されています。5.2kmの距離を20分弱で結び、東名高速道路の横浜町田ICの脇を通ります。また、東京都と神奈川県をまたぐため、乗車する際は運転士に行先を申告して運賃の前払いを行う方式を採用しています。
この路線は2025年3月30日(日)限りで運行休止と、関東運輸局に届け出されています。
●淵24 淵野辺駅~鶴川駅~登戸
今回の廃止路線で最も長距離を走るのが「淵24」。JR横浜線の淵野辺駅から町田市を横断し、小田急線とJR南武線が交差する登戸までを結ぶ路線です。小田急線の鶴川~登戸間に沿う路線でもあり、土曜日の早朝に1往復が運行されています。20.5kmの距離を1時間かけて走ります。
この路線は2025年3月29日(土)限りで廃止と、関東運輸局に届け出されています。
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今回運行を終了する路線は、俗に「免許維持路線」と呼ばれる路線が多く、「淵24」や「市02」などはその典型です。週末に1往復程度の運行が長らく維持されてきましたが、バスファンのあいだでは良く知られた路線が、数を減らすことになりそうです。
Writer: 柴田東吾(鉄道趣味ライター)
1974年東京都生まれ。大学の電気工学科を卒業後、信号機器メーカー、鉄道会社勤務等を経て、現在フリー。JR線の2度目の「乗りつぶし」に挑戦するも、九州南部を残して頓挫、飛行機の趣味は某ハイジャック事件からコクピットへの入室ができなくなり、挫折。現在は車両研究が主力で、技術・形態・運用・保守・転配・履歴等の研究を行う。鉄道雑誌への寄稿多数。資格は大型二種免許を取るも、一度もバスで路上を走った経験なし。
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