高架化事業で品川駅を「地上化」 フシギな立体交差事業を俯瞰 そばで橋を組み立ててる!
京急は泉岳寺~新馬場間で連続立体交差事業工事を進めており、JR品川駅の大規模再開発とあわせて、京急品川駅は地上化されます。立体交差事業なのに「地上化」とは、どういうことでしょうか。
連続立体交差事業なのに「地上化」
品川駅周辺が大改造の真最中です。京急本線の連続立体交差化と、JR東日本も加わっての再開発は、2025年で5年目を迎えました。地形や既存の路線の制約を受ける中で、工事はどのように進められているのでしょうか。
そもそも京急本線は、都営浅草線と接続する地下の泉岳寺駅から地上に出ると高架橋となり、JR品川駅高輪口駅舎の真後ろを通って、2面3線の高架である品川駅へ達します。駅も高架構造ですが、駅の南側では隣の国道15号が台地となって迫り上がり、そこから線路と道路が同じレベルとなって八ツ山へ至ります。
その先は左の急カーブとなって、1933(昭和8)年製の「八ツ山橋」下路ワーレントラスでJR各線を斜めに渡り、八ツ山通りを品川第1踏切で交差。続いて旧東海道を品川第2踏切で交差すると、相対式ホーム構造の北品川駅です。駅の先には北品川第1踏切があり、すぐに高架橋となって新馬場駅へと向かっていきます。
3か所の踏切はラッシュ時に特に遮断時間が長くなり、交通のネックとなって慢性的な渋滞を引き起こします。そこで京急は、泉岳寺~新馬場間の約1.7kmで連続立体交差事業を行い、踏切を解消することになりました。高架化すれば、都内の京急路線で踏切ゼロが達成できます。着工は2021年6月でした。
新たな線路構造は、泉岳寺~品川手前間が地下、品川駅は地上、品川~新馬場間が高架となります。ここで注目するのは、品川駅が「高架から地上」となることです。連続立体交差事業なのに地上駅化とは、まるで時代を遡るかのようですが、これには理由があります。
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