いよいよ本格始動した日英伊「世界最強戦闘機」への道 日本の”意向“すでに機体に反映済み!? 答えは翼の形に!
いよいよ計画が本格始動した、日本、イギリス、イタリアの3か国による有人戦闘機の国際共同次期戦闘機開発プログラム「GCAP(グローバル戦闘航空プログラム)」。ここで気になるのは、日本の存在感です。じつは、日本は機体デザインを担当するとされていますが、その”答え“が意外なところから感じ取れました。
じつは「日本の意向」が反映された結果なのか?
ラムダ翼には高い運動性を得られるといった利点があるのですが、2025年1月現在、ラムダ翼を採用した実用機は現れていません。イギリスとイタリアはGCAPで開発する有人戦闘機の運用開始時期について明言していませんが、日本はF-2が退役を開始する2035年の運用開始を目指しています。それに間に合わせるためには、採用にリスクの大きいラムダ翼機とするよりも、ユーロファイター・タイフーンなど多くの戦闘機に採用されてきた実績を持つデルタ翼機とする方が現実的であり、日本がそれを求めたのではないかと筆者は思います。
2020年11月14日に内閣官房行政改革推進会議が開催した「行政事業レビュー 秋のレビュー」で防衛省が発表した資料には、航空優勢を確保するためには戦闘機が「より遠方で敵の航空機やミサイルに対処できる体制を整えること」と、「我が国周辺空域に迅速に展開」できる能力が重視されると記載されており、次期戦闘機を単独で開発しようとしていた頃から、航続性能と速度性能を重視していました。
その一方で、防衛省は運動性能を重視項目に挙げていません。重視している能力が変わっていないのであれば、運動性能ではラムダ翼機には及ばないものの、航続性能と速度性能を両立できるデルタ翼機の開発を日本が目指すのは当然だと思います。その点においても2024年7月以降に製作制作された次期戦闘機のコンセプトモデルには、日本の意見が反映されたのではないかと考えられます。
Writer: 竹内 修(軍事ジャーナリスト)
軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。
コメント