空港の主張が強い! 京成仕様の押上駅で都営が“ささやか主張” 幻のメロディも聞けるかも?
京成押上線と都営浅草線が乗り入れる押上駅は、両社の境界駅でもあります。東京屈指の観光地の最寄り駅だけあって、成田・羽田両空港の案内が存在感を発揮。また、駅名標や発車案内などは京成仕様ですが、ささやかながら「都営っぽさ」もあるなど、よく見るとユニークな光景が広がっています。
3・4番線で「都営っぽさ」がささやかに主張
ところで、京成と都営の押上駅では2023(令和5)年10月18日に4番線でホームドアが稼働を開始し、京成線で4つ目のホームドア設置駅となりました。そして2024(令和6)年2月20日には1番線もホームドアの稼働が始まり、1~4番線すべてでホームドアの設置が完了すると同時に、都営地下鉄としても全駅でホームドアの設置が完了しました。
押上駅のホームドアは、浅草線方面の1・2番線には路線カラーのローズ、押上線方面の3・4番線には京成の駅名標などに使われる青系の色を配しています。のりば案内などで使われているサインと色が統一されるのは、視覚的に分かりやすくて親切ですね。
発車ベルももちろん京成仕様で、1・3番線が高い音、2・4番線が低い音のタイプを採用。同じホームで音が重ならないよう配慮されているようです。
管理駅である京成の色合いが濃い押上駅でした……と終わりたいところなのですが、突然4番線から、どこかで聞いたことのあるメロディが。「都営の発車メロディでは!? しかも京成仕様の発車ベルが鳴った後なのに……」と思い、次の電車で確認しようとしましたが、いつもの発車ベルだけでメロディが鳴る気配がありません。
押上駅を利用するたびに何本かの電車で確認してみましたが、発車メロディが鳴る規則性も分からず、ひとまず聴くことができるケースはレアな部類に入るようです。また、この発車メロディはホームドア導入後に鳴るようになったとの話も。ともあれ、3・4番線で都営地下鉄をささやかに主張していた「のりかえ出口案内」に続く「都営地下鉄っぽさ」となりそうです。
ちなみに、押上駅を訪れた際は、ぜひ改札口のホワイトボードも見てみてください。電車絵の職人さんがおられるようで、毎回ニンマリしてしまいますよ!
Writer: 和田 稔(鉄道ライター)
幼少期、祖父に連れられJR越後線を眺める日々を過ごし鉄道好きに。会社員を経て、現在はフリーの鉄道ライターとして活動中。 鉄道誌『J train』(イカロス出版)などに寄稿、機関車・貨物列車を主軸としつつ、信号設備や配線、運行形態などの意味合いも探究する。多数の本とNゲージで部屋が埋め尽くされている。
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