路面電車にも「スピード違反」はあるのか 最高速度制限の法律と運用どうなっている?

街中をクルマと並走する路面電車ですが、クルマと同様に最高速度制限が存在するのでしょうか。法律と運用の両面から考えます。

信号無視で取り締まり対象にも

 路面電車を運用する現場はどうなっているのでしょうか。

 大阪と堺を結ぶ阪堺電車によると、道路上を走る「併用軌道」という区間では基本的に、法令に基づいた速度で走行しているとのこと。ただしカーブやポイントなどでは、20km/h以下や15km/h以下といった、さらに安全な速度に抑えているといいます。なお速度は、機械やプログラムなどのシステムではなく、一般的なクルマと同様、運転士によって管理されています。

 路面電車が多い広島市などを管轄する広島県警察本部によると、併用軌道を走る路面電車は法令上「車両」であるため、信号無視やスピード違反といった取り締まりの対象にもなるそう。「違反が認められれば、路面電車でも特に区別することなく取り締まります」(交通指導課)。

 ただし実際には停留所間の距離が短いことから、違反に相当するだけの速度を出すことは「現実的に難しい」のだそうです。

 ちなみに、併用軌道に対して「新設軌道」というものがあります。通常の線路のようにバラスト(砂利)を敷き詰め、その上に枕木を並べてレールを固定した軌道で、たとえば東京都内を走る都電荒川線や東急世田谷線の大部分の区間がこれに該当します。阪堺電車や広島電鉄も一部区間はこの新設軌道です。

 新設軌道区間は、路線や区間にもよりますが、軌道法ではなく鉄道事業法で扱われることがあり、最高速度についても通常の電車と同様に規制されることが多いようです。

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