『ガンダム』で地上戦用兵器を繰り出してくるジオン軍「どこでテストした!?」実は秘密にやる方法があった!? その理由とは

アニメ『機動戦士ガンダム』では、スペースコロニー国家であるジオン公国が地球に降下し、潜水艦や航空機で各地を攻撃します。円筒状で数キロしかないコロニーで試験できるとは思えませんが、どうやって実用化したのでしょうか。

コロニー落としをして大丈夫だったのか!?

 ここで傍証と考えられるのが、「第二のコロニー落としを行わなかった」ことです。ジオン軍はスペースコロニーを巨大な質量兵器として、地球連邦軍本部である南米ジャブローに落とせば、戦争は終わると考えていました。

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強気の作戦をゴリ押ししようとする独裁一家の三男(イラストレーター:ハムシマ)

 一年戦争中、ジオン軍は数百万人の兵力を地球に降下させています。これは長期間制宙権を握っていたということです。地球連邦艦隊は開戦後、ルウム戦役までの戦闘で壊滅していますから、コロニー落としや核兵器使用を禁じる南極条約など結ばず、もう一度コロニー落としをジャブローに行えば戦争は終わるはずですが、そうしていません。

 捕虜から脱走した地球連邦軍のレビル将軍が「ジオン軍に兵なし」演説をして、ジオンに降伏しようとしていた連邦が息を吹き返したとされていますが、それが全ての理由なら地球降下作戦をジオン軍が半年間も継続できる余力はなかったでしょう。

 つまり「第二のコロニー落とし」は認められず、南極条約を結ばなければならない理由が、ジオンにあったとも思えるわけです。これは、ジオンが開戦前に地球上の協力旧国家たちに、コロニー落としに関して「陸地である南米のジャブローに落とすだけなので、影響は少ない」と説明したことが原因にあるのではないでしょうか。

 開戦初期に奇襲的に行われた最初のコロニー落としは、連邦軍宇宙艦隊の抵抗で、目標からそれてオーストラリアに落下。大津波などで数十億単位の死傷者が出ました。協力旧国家が存在したなら、激怒したと思われます。

 ジオンが戦争に勝利できても、地球上に協力者がいなければ新しい秩序での地球統治を行えませんし、劇中で地球から本国に送っていた希少資源確保なども困難となります。国力1/30のジオンが、連邦に対抗できる軍事力を保持できたのも、協力者からの資金・技術提供があったから、ということも考えられるわけです。

 つまり、コロニー落としが失敗したことで、ジオンは協力旧国家から政治的圧力をかけられ「以後、コロニー落としや核攻撃はしない」という南極条約を結ばなくてはならなくなったのではないでしょうか。

 そう考えるなら、ジオンがもう一度コロニーを落とさなかったことは、すんなり理解できます。

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