「おぉっと、電車に乗ったら人身事故…」あなたならどうする? そのまま待つか迂回するか 判断材料は

鉄道を利用していて運転見合わせに遭遇したことがある人も多いことでしょう。振替輸送を使うのか、運転再開を待つのか、判断に迷います。もちろん事故の規模にもよりますが、その見極めに必要な事項をまとめてみます。

むしろ振替輸送などで迂回した方がよい場合

 一方で、迂回したほうがよい場合もあります。

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改札口脇にある運行情報の表示画面(2025年1月、柴田東吾撮影)

・事故が発生したばかりで、発生場所がルートの途上にある

・迂回しても、所要時間が極端に長くならない

・設備の故障など、当分復旧の見込みがない事態が発生している

 このような場合は迂回がベストで、わざわざ運転を見合わせている路線にとどまってトラブルに巻き込まれることはありません。

 乗車券や回数券、定期券など、区間や金額が記載されているきっぷを持っていれば、振替輸送を使って別の路線を利用することができます。ただし、区間の記載がないSuicaなどのIC乗車券や、乗り越している場合は振替輸送を受けることができず、その際は券売機で区間を指定したきっぷを発券することで振替輸送の対象となります。

 なお迂回する場合も、振替輸送を利用できる範囲が限られていますが、おおむね近隣の路線のほか、バス路線も利用できる場合があります。振替輸送は事前に鉄道やバスの会社間で取り決めがあり、ある程度はパターン化されています。その範囲を公開している路線もあり、一例として東京メトロでは、ホームページで公開されています。普段利用をする路線がどのような振替輸送を行うのか、確認してみるのもよいかもしれません。

 ただし、あと1駅で足止めされた時など目的地が近い場合は、歩いてしまうのも1つの手です。これは都心部の地下鉄で運転見合わせとなった場合などに有効な手立てになります。

 人身事故や踏切事故のほかにも、車両や設備の故障、沿線火災など様々なトラブルで列車の運行が止まることがあり、その件数は年々増えているといわれています。大規模なトラブルほど列車の運休は長時間に及ぶため、その際は運転再開を待たずに迂回したほうがベストです。地図なども含め、利用者が情報へ容易にアクセスできる時代ですから、いざという時の代替手段をあらかじめ調べておくと冷静に対処できるでしょう。

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Writer:

1974年東京都生まれ。大学の電気工学科を卒業後、信号機器メーカー、鉄道会社勤務等を経て、現在フリー。JR線の2度目の「乗りつぶし」に挑戦するも、九州南部を残して頓挫、飛行機の趣味は某ハイジャック事件からコクピットへの入室ができなくなり、挫折。現在は車両研究が主力で、技術・形態・運用・保守・転配・履歴等の研究を行う。鉄道雑誌への寄稿多数。資格は大型二種免許を取るも、一度もバスで路上を走った経験なし。

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