トランプ大統領「管制官の多様性が事故原因だ!」←批判が殺到!? 旅客機とヘリの衝突墜落事故 その真相は?

アメリカの首都ワシントン近郊のレーガン・ナショナル空港付近でアメリカン航空系の旅客機と米軍ヘリコプターが空中で衝突して墜落しました。両機の計67人全員が絶望的な大惨事を巡り、ドナルド・トランプ大統領が論拠を示さずに事故原因を決めつけたことに批判の声が続出しています。

アメリカ屈指の過密空港

 アメリカの首都ワシントン近郊に位置するレーガン・ナショナル空港付近で2025年1月31日、アメリカン航空系の旅客機CRJ700と、米陸軍のヘリコプターUH-60「ブラックホーク」が空中衝突して墜落しました。同空港は、羽田空港と同じように混雑空港なのに加え、立地の特性などから「操縦士泣かせ」(航空関係者)なのだとか。周辺地域の特殊要因などを改めて見てみましょう。

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アメリカのドナルド・トランプ大統領(画像:パブリックドメイン)。

 衝突したのはアメリカン航空の子会社、PSAが「アメリカン・イーグル」ブランドで運航する中西部カンザス州ウィチタ発ワシントン行きの5342便で、機内には乗客乗員64人が乗っていました。一方、米軍のUH-60「ブラックホーク」には3人が乗っており、両機とも衝突後にポトマック川に墜落しています。

 レーガン空港はアメリカ屈指の過密空港とされ、アメリカに通算10年間住んだ筆者(大塚圭一郎:共同通信社経済部次長)も2020~24年のワシントン支局在任中などに幾度となく利用しましたが、そのたびに離着陸の頻度が高いことに目を丸くしていました。

 ワシントン圏の主要空港としては、国内線が中心のレーガン空港(バージニア州)、ANA(全日本空輸)の羽田線も含めて国際線が豊富なワシントン・ダレス国際空港(同州)、LCC(格安航空会社)大手サウスウエスト航空が主力のボルティモア・ワシントン国際空港(略称BWI、メリーランド州)、この3つがあります。うち、ワシントン中心部に最も近いのがレーガン空港で、地下鉄「ワシントンメトロ」に乗って30分程度で着きます。

 空港当局によると、2023年に利用者が最も多かったのはBWIの約2620万人で、次いでレーガン空港が約2550万人、ダレス空港が約2510万人でした。

 ただし、BWIとダレス空港は大型・中型旅客機も離着陸するのに対し、3本ある滑走路のうち最長のものでも2185mしかないレーガン空港はリージョナル機や小型機が中心です。それでも他の2空港とほぼ同規模の利用者を抱えているということは、そのぶん飛行機の発着が多いということであり、便数がいかに多いか物語っているといえるでしょう。

【画像】これが米軍ヘリと衝突・墜落したCRJの同モデルです

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