確かにアメ車顔かも… 静岡生まれの「シボレー」売れ行き好調も短命で終わった「トホホな理由」
かつて、スズキはシボレーブランドで自社生産の乗用車を販売していました。憧れの海外ブランドが安価に買え、しかも国産車の信頼性と経済性を持っていたことから一時は人気を博していました。
「ワゴンR+」と「MW」の違いはバッジだけ?
2000年にシボレー車の輸入販売権が、それまでのヤナセから日本GMへと移管されましたが、それと前後してスズキはGMとの提携を強化。これにより、スズキは自社ディーラー網での販売を考慮しつつ、日本国内で新規に立ち上げられた「GMオートワールド店」(2003年に「GMシボレー店」へ改名)で販売する車種をシボレーと共同開発することにします。
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こうして2000年に誕生したのがシボレーブランドの小型車「MW」(ミニワゴンの意味)です。翌2001年にはシボレーとのコラボ第2弾として「クルーズ」もデビューしました。
とはいえ、これらはGMとの共同開発をうたいつつも、「MW」は「ワゴンR+」(のちの「ソリオ」)、「クルーズ」は初代「スイフト」をベースに内外装の化粧替えをした実質的なOEMモデルでした。
シボレー「MW」のベースとなったスズキ「ワゴンR+」は、軽自動車の「ワゴンR」のボディパネルを流用しつつ、全長や全幅をひと回り拡大し排気量1000ccのエンジンを搭載した小型乗用車です。前身は1997年に登場した「ワゴンRワイド」で、1999年のフルモデルチェンジ時に小型車用に設計された新プラットフォームを採用して「ワゴンR+(プラス)」と改名。さらに2000年12月に改良を受けた際に名称を「ワゴンRソリオ」へと再変更し、2005年には車名から「ワゴンR」が取れて現在の「ソリオ」となっています。
シボレー「MW」のベースとなったのは「ワゴンR+」に設定された1リッター・ターボエンジンを積む「XT」グレード(のちに「1.3」グレードも追加)です。「ワゴンR+」との外観上の違いはフロントグリル内に輝くシボレーの象徴「ボウタイ」エンブレムだけでした。
しかし、ベースとなった「ワゴンR+」のヘッドランプは、シボレーのSUVやミニバンに見られた分割線の入った上下二連タイプを採用したこともあり、「MW」はコンパクトなシボレー「アストロ」といった雰囲気が漂っていました。
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