東海環状道の“左上”2025年全通は盤石か 渋滞ポイントに「バイバーイ!」 中京圏の“道の常識”が変わる!?

2025年春、東海環状道が2区間で延伸。さらに夏にも延伸を控えています。全通はまだ先ですが、2025年、東海圏は“道の常識”が変わりそうです。何ができるようになるのでしょうか。

「一宮も小牧も混んでる!」→バイバーイ

 大野神戸ICまでが開通すると、東海環状道の「左上」すなわち東海環状道と名神高速をつなぐ区間(美濃関JCT-養老JCT)がつながります。この影響は大きそうです。

Large 20250227 01

拡大画像

当座の終点となる本巣ICもほぼ完成の域(乗りものニュース編集部撮影)。

 名神の大きなボトルネックとなっているのが、東海北陸道が接続する「一宮JCT」付近です。名神の滋賀方面ー東海環状道の富山方面を行き来する場合、東海環状道を経由することで、一宮JCTを避けることができます。

 一宮JCT付近の下り線については、2024年9月に片側3車線運用が始まったことで渋滞が緩和していますが、東海環状道の開通によって、さらなる緩和が見込まれるといいます。

 それだけでなく、中央道の長野方面と名神の滋賀方面を行き来する場合も、東海環状道が視野に入ります。2025年度もリニューアル工事による交通規制が予定されている中央道の土岐JCT-小牧JCT間や、名神一宮も、まるまる東海環状道で避けることが可能になるのです。

 中央道の土岐JCTから名神の養老JCTまでストレートにいけば60.5km、東海環状道経由では77.4kmです。中央道・名神が渋滞している場合は迂回が効果を発揮することもあるでしょう。

 東海環状道「最後の未開通区間」となるのが、名神以南の「左下」にあたる、岐阜-三重にまたがる養老IC-いなべIC間です。県境の「養老トンネル」工事で多量の湧水などに見舞われており、2026年度の開通が予定されているものの、さらに延期の可能性もあります。

 この区間が全通すれば、たとえば「東海北陸道から愛知を通らず三重県へ」「伊勢湾岸道から北陸道へ」といった、これまで考えられなかったような移動も可能になります。

 東海環状道が全通すれば、東京・大阪に先駆けて、中京圏で計画された環状道路網が概成します。国は高速道路の将来ビジョンとして、渋滞状況に応じて高速道路料金を機動的に上げ下げすることで、空いている区間に誘導する料金体系を打ち出していますが、そのような利用は環状道路網が完成してこそ。東海環状道の全通は、もしかしたら料金面でも、これまでの“常識”を覆すきっかけをつくるかもしれません。

※一部修正しました(2/27)

【超楽しそうな“PA”が!?】東海環状道の延伸区間のいま(地図/写真)

最新記事

コメント