『パトレイバー』登場の戦闘車両だ! 都会のど真ん中で見つけた軍用車 なぜ大阪に?

第二次大戦以前から様々なタイプの装輪装甲車を開発していたイギリス。戦後に開発された4輪装甲車「フェレット」は1970年代まで生産され、現代でも一部の国では現役です。また軍払い下げの中古車両のうち1両が日本にあります。

大阪の「フェレット」定員は?

「フェレット」装甲車の出自をひも解くには、時計の針を第二次世界大戦前に戻す必要があります。

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2年に一度、フランス・パリ郊外で行われる安全保障の国際展示会「ユーロサトリ」の2012年度開催において、特別に展示されたダイムラー「ディンゴ」装甲車。スライド式ルーフの無いMK.III型である(吉川和篤所蔵)。

 イギリス軍と装輪装甲車の歴史は長く、第一次世界大戦前の1910年頃から乗用車やトラックをベースにした装甲車が作られていました。そうした下地があったため、第一次世界大戦でもイギリス軍は様々な装輪装甲車を実戦に投入しており、例えば中東の砂漠地帯で戦ったアラビアのロレンスことトーマス・E・ロレンスは、9両のロールス・ロイス4輪装甲車を装備した装甲車中隊を駆ってオスマン・トルコ軍を相手に数々の勝利を挙げています。また主に輸出用として製造されたクロスレイ4輪装甲車は、旧日本海軍も購入して上海特別陸戦隊に配備され、1932年の第一次上海事変では市街戦に投入されています。

 第二次大戦直前の1938年から翌年にかけて、イギリスは3tクラスの2人乗り4輪装甲車、ダイムラー「ディンゴ」を開発します。同車は高い機動性を持ちつつ、コンパクトで使い勝手の良い偵察用車両として、様々な戦線で用いられました。

 しかし、「ディンゴ」は軽量コンパクトであるがゆえに、地雷に弱いなど防御力に問題を抱えていました。そこで戦後の1949年には本格的な4輪装甲車として3.7t級のダイムラー「フェレット」が新たに開発されたのです。

 同車は砲塔の無いオープントップ式のマーク1型を始め、固定砲塔付きのマーク1/2型や7.62mmブローニング機関銃を装備した砲塔付きのマーク2型、ヴィジラント対戦車ミサイルやスウィングファイア対戦車ミサイルを装備車など様々なタイプも作られました。

 ちなみに、前出のMAOが所有するタイプは、固定砲塔にヒンジ式ハッチが付いた車長と操縦手、通信手の3人が乗り込む、マーク1/2型です。

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