「信号待ち」が全国的に長くなるかも!? 警察庁が指針見直し “歩行者と車の分離”が大幅に増えそうなワケ

日本の交通事故死者は、スピードが最も遅いはずの「歩行中」が毎年最多。先進国では日本特有の現象を少しでも改善すべく、警察庁が信号運用の指針を見直します。ただし信号待ちは長くなるかもしれません。

渋滞するよね? どう考えてるの?

 通学路などの交通規制は、通勤時間帯の交通量が増加する時間帯と重なるため、渋滞を招かない慎重な検討が必要です。歩車分離式信号は通常の信号サイクルに、歩行者だけが交差点に進入するもう1つのサイクルが加わるため、信号の待ち時間が長くなるデメリットがあります。

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押しボタンに代わってタッチパネル式になった歩行者信号もある(中島みなみ撮影)。

 例えば、観光スポットにもなっている東京・渋谷のスクランブル交差点は、斜め横断もできる歩車分離式信号です。あれほど多くの人が一斉に横断する交差点はよいのかもしれませんが、一般的な交差点で、視覚障害者が歩車分離式信号であることを知らないままだと、車両の進行する音で信号が識別しにくくなります。

 今回の改正は、こうしたマイナス面があったとしても、歩行中の事故減少が最優先される転換点に来ていることを示しています。

 警察庁の指針では、円滑な交通を維持するための対策も盛り込まれています。信号機の色の変化時間や、隣接する信号機とのタイミングのパラメーターを細かく調整することを前提に、例えば、通学路にある交差点のように曜日や時間帯で大きく通行量が変動する場合は、押しボタンが押された場合のみ歩車分離式制御を行い、渋滞の発生を回避・緩和させることとしています。

 歩車分離式信号が増えると、さまざまなパターンが登場します。歩行者だけの信号サイクルを作らず、同一方向に進む歩行者信号と車両信号のタイミングをずらすことで、同じ信号サイクルの中で歩車分離を行う「一部歩車分離式」も出てきます。

 これからの運転者に求められることは、進行方向の信号を確実に見極めることです。特に歩車分離式の表示がある信号では信号サイクルが複雑になることがあります。交差道路側の信号を見て、「そろそろ(対面の信号が)変わりそうだ」などと予測することは難しくなります。信号機の横に「歩車分離式」の表示が設置されるので、信号の表示を見逃さないように注意が必要かもしれません。

【そりゃ信号待いわ】導入増えそうな“あまり見ないタイプ”の信号(写真)

Writer:

1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。

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