まさに万札を燃やして飛ぶ!! F-15戦闘機「衝撃の燃費」とは ”大メシ喰らい”=平和のコストか

日々、日本の空を守り続けている航空自衛隊の戦闘機。スクランブルの際にはいち早く駆け付けますが、1回の任務でどれぐらいの燃料を使うのでしょうか。調べてみたら、燃費は驚愕の数値でした。

機内には約100万円分の燃料を搭載

 また恐ろしいのは、F-15は1秒間に15.5リットルの燃料を使うのに機内燃料は7836リットル「しか」ないことです。「しか」とは言ってもドラム缶約39本分にもあたる量ですが、約94万円分の燃料を燃やし尽くすのに、わずか約8分半しか必要としません。

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増槽3本搭載時の燃料量は約14500リットル。ドラム缶73本分、価格にして174万円分である(写真:関賢太郎)。

 もちろん、戦闘機は常にアフターバーナーを使用しているわけではなく、通常の巡航飛行では燃費を抑えながら飛ぶので、数時間にわたり滞空可能です。増槽を3本搭載した場合の燃料搭載量は1万4600リットルで航続距離は約4600kmなので、最も効率よく飛行した場合は1リットルあたりの飛行距離は315mになります。

 やはりF-15の燃費は膨大であり、1回のスクランブル発進(緊急発進)で2機が飛行し(必ず外部燃料タンクを携行している)機内燃料をすべて使うと仮定すると、燃費だけでも200万円規模になる計算です。これが戦闘機を運用するうえでの「最低限」のコストであり、また厳然たる現実です。

 SDGs(持続可能な開発目標)を推進する現代社会において、戦闘機の燃費は極めて時代錯誤に映るかもしれません。しかし、国防とはコストを度外視してでも成し遂げなければならない任務です。戦闘機の燃料消費が膨大であることは事実ですが、それは単なる浪費ではなく、領空を守るための必要経費だと言えるでしょう。

 結局のところ、戦闘機の燃費とは「平和のコスト」そのものだと言えるでしょう。我々が安心して日常を過ごすためには、F-15のような燃費を度外視した存在が不可欠です。

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Writer:

1981年生まれ。航空軍事記者、写真家。航空専門誌などにて活躍中であると同時に世界の航空事情を取材し、自身のウェブサイト「MASDF」(http://www.masdf.com/)でその成果を発表している。著書に『JASDF F-2』など10冊以上。

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