「無人機どっさり空母」の艦載機は“中東製!?” 「石油がいつ消えてもいいように」無人機メーカーに 産油国の凄み

アラブ首長国連邦のEDGEグループが、同国で開催された防衛装備展示会で新型の戦闘用無人航空機(UCAV)を発表しました。石油という巨大な経済面での武器があるにもかかわらず、同国が防衛産業に注力する理由とは一体何なのでしょうか。

UAEとタッグを組む“意外な国”とは?

 ブラジル海軍が進める多用途空母「アトランティコ」にUASを搭載する構想にも、EDGEグループが関わっています。ブラジル海軍は2025年2月から、国内企業のステラ・テクノロギアが開発した偵察用UAS「アルバトロス」を艦載機とするための地上試験を開始していますが、攻撃能力も備えた本格的な艦載UASは、EDGEグループと共同開発することが決まっているのです。

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防衛装備展示会「IDEX2019」で展示されたUAEの国産USVの実大モックアップ(竹内修撮影)。

 EDGEグループ公式WebサイトのJENIAHの紹介ページには、同機が洋上作戦能力を持つと記載されており、同機をベースにした艦載UASが「アトランティコ」の艦載機になるのかもしれません。

 ブラジル国内には前に述べたステラ・テクノロギアのようなUASメーカーや、UCAVの開発構想を持つエンブラエルのような航空機メーカーがあるにもかかわらず、ブラジル海軍が艦載UASの開発パートナーにEDGEグループを選んだのは、同社の技術力を高く評価したことの証左でしょう。

 EDGEグループは2024年に、陸上自衛隊も試験用に導入するUGV「テーミス」などを開発したエストニアのミルレム・ロボティクスに対し、株式の過半数を取得して事実上の親会社となっています。株式買収によるシナジー(相乗)が現れてくれば、EDGEグループはUGVメーカーとしての存在感も今後増していくと考えられます。

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