「関門トンネル」このまま有料か無料化か? 老朽化する「世界初の海底道路」67歳 一部“造り替え”必須も

世界初の海底道路とされる「関門トンネル」で老朽化が顕在化しています。その一方で料金徴収期限も間近。今後の在り方について議論が進められています。

海底トンネルはカネがかかる? 岐路に立つ「関門トンネル」

 世界初の海底道路とされる「関門トンネル」で老朽化が顕在化しています。2025年2月27日、第2回目となる「関門トンネルにおける今後の維持管理・修繕に関する検討委員会」が開催され、その資料が3月13日に公開されました。

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関門トンネル福岡側入口(乗りものニュース編集部撮影)。

 関門トンネルは山口県下関市と福岡県北九州市を隔てる関門海峡へ1958年に開通した国道2号のトンネルです。1973年には高速道路として関門橋が開通していますが、それ以後もトンネルは日本道路公団の有料道路として存続し、NEXCO西日本に引き継がれてから2025年で20年が経過します。

 ただ、料金徴収期限は今年の9月末とされていることから、今後の在り方について検討が必要とされていました。

 2024年12月に開催された第1回目の「検討会」では、現在の維持管理状況、利用状況、事故や渋滞の状況などが共有されました。1日約4800tというトンネルへの湧水を排出する排水ポンプ(計17台)は、最も古いもので29年が経過しているなど、設備も年月を経ているといいます。

 構造物の老朽化も進んでおり、一部の床版(舗装が載る道路の床板部分)については、床版下面で内部の鉄筋を超える位置までコンクリートの中性化が進行していることが判明。今後、一部で床版の取替えなど大規模な更新が必要と判断されています。

 また、交通状況については、トンネル内部は渋滞していないものの、NEXCOの管理道路で唯一、ETCが導入されていないこともあり、トンネル両端の料金所で渋滞が発生しているといいます。また内部は対面通行のため、反対車線へはみ出す渋滞事故が毎年発生していることから、道路機能の向上も必要とされています。

 その一方、交通量は減少傾向にあるほか、物価上昇によって管理コストが2012年度と比較して「約8割」も増加しているとか。

 関門橋と関門トンネルだけで担っている関門間の交通は、一方が通行止めになると一方に交通が集中し、凄まじい渋滞が発生するケースがあります。このため、関門海峡をまたぐ第三のルートとして「下関北九州道路」の事業化に向けた取り組みが進められていますが、もし開通すれば関門トンネルの交通分担率が大幅に下がるのは避けられません。料金徴収期限を前に、トンネルの維持管理の在り方は岐路に立っています。

 今回の検討会でも、有料期間の延長などの具体的な方針は示されていませんが、NEXCO西日本は委員会での検討を受け、「予防保全や更新の実施」「機能向上の実施」「取り巻く環境の変化への対応」「インフラ管理への理解促進の取り組み」を持続的な管理に必要な事項として、今後の“とりまとめ”に盛り込むとしています。

【けっこうボロボロ…】関門トンネル「内部の状況」(写真)

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