“西日本最大の赤字路線”の「秘境ターミナル駅」へ行ったら“意外にも大賑わい”だったワケ 「す、座れない…!」
春の青春18きっぷシーズン。どこに行こうかなと悩んでいる人に、ぜひ備後落合駅への訪問がオススメです。現状でも列車で到達するのが難しく、駅自体も存続の危機にあるといっても過言ではありませんが、意外にも、賑わっていました。
しかも1両は「途中切り離し!」
その予感はあたり、車内に乗り込んだ時にはもうロングシートしか空席は残っていません。キハ120形は16m級で車体が小さく、この日使われていた200番台はクロスシートを備えるものの、座席数はわずか16名分のみ。2両編成では32名分ありますが、この列車は後ろ1両を出雲横田駅で切り離してしまうのです。

筆者はクロスシートに座り車窓を眺めながらのんびり駅弁でも食べよう……などと考えていたのですが、その願いも叶わず。しかも地元客らしい乗客は、ほぼいない様子。これは備後落合駅までクロスシートでは移動できない、ということを暗に示すものでした。
とはいえ朱色5号、いわゆる「タラコ色(首都圏色)」に塗られたキハ120形は国鉄時代を思わせる風情を放っており、座り心地の良いロングシートでの旅やよし、という気分なのは確かです。
木次線は路線距離81.9km、駅数は18駅ですが、1147Dはこの区間を3時間7分もかけて走ります。平均速度はなんと約26km/hという足の遅さです。木次線の主要駅である木次までは6駅で、所要時間も40分かからずに到着しますが、ここから備後落合までは約2時間半の長丁場となります。
とはいえ、出雲横田駅での10分以上の停車や、出雲坂根駅でのスイッチバックなどもあって、その時間はあっという間に過ぎて行きました。なお出雲横田駅で1両編成になったあとは、座席がほぼ埋まるほどに車内は混んでいました。
2023年における出雲横田駅~備後落合駅の平均通過人員(人/日)は72名というデータがあるのですが、この列車でその半分を賄う勢いです。
そして14時21分。大雨だった宍道駅から一転して薄日が差す中、1447Dは定刻通りに備後落合駅の1番線へ到着。予想通り、乗客はほぼこの駅までの乗り通しでした。
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