「デカい! 高い!!」現存唯一「日本戦艦の砲塔」を実見 このたび現存が確認された部品も
広島県江田島市の海上自衛隊第1術科学校には、戦前に戦艦「陸奥」から降ろされた砲塔と主砲が今も教育用として残されています。2年前の取材では砲塔上部から内側へ入りましたが、今回は基部に入って底から上がる形で見学しました。
底から上を見てみると
2年前の取材では第1術科学校の特別な許可のもと、一般では立ち入りが禁止されている砲塔内部を見学することができました。そのときのレポートは過去、記事にしています。

今回の取材目的は、再び上側にある40cm連装砲塔の内部を奥まで見学することと、前回実現しなかった砲塔基部(バーベット)を下から入って内部見学する、この2点です。
そこで、前回と同じく特別な許可を得て、海上自衛隊の広報担当が立ち会うなか見学。頭部保護のためヘルメットを被ったのち、まずは側面の階段を昇って砲塔上部の内側へ向かいましたが、足元には舞台の奈落のように、下まで抜けた穴があり危険なため、常に注意が必要です。そして、今回は左右の砲身のあいだに仕切られた幅の狭い部屋の先まで行き、中央旋回手と中央照尺手用、これら2つの円形座席の存在も確認することができました。
そのあとは、いよいよ砲塔基部の内部に入ります。階段を降りて左右にある小さな扉から向かいましたが、多角形構造の砲塔上部に対してその基部は円筒形の装甲板に覆われたシンプルな外観で、大部分は船体に埋まって通常は見えない部分です。江田島に設置された4番砲塔は中甲板の区画までで、別の1番砲塔の構造図を見ると、さらにその下には中央揚弾薬筒や火薬庫と繋がった給薬室が続いていたことがわかります。
砲塔基部の底は回転するために空間が設けられており、その下は実際の戦艦とは異なりコンクリート製の円形土台になっています。そこから脚立を使って内部に入ると、揚弾薬筒を取り囲むように隔壁で仕切られた円形の足場があり、装薬用の揚弾機やレバー類、ボンベ、ギアなどが所狭しと並んでいました。三年式40cm砲の装填や尾栓の開閉は水圧式なので、この砲弾や装薬を上に送るリフトや砲塔の旋回も水圧式だと思われます。
さらに垂直ラッタル(はしご)で上の階にも繋がっていて、各階の天井の高さから考えると砲塔上部までまだ2、3階層はありそうでしたが、時間切れで今回の取材見学はここまでとなりました。この先は、今後の調査に期待したいと思います。
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