「グラマン」て飛行機じゃないの!? 意外な自動車関連メーカー5選 じつは普段使いの物も
航空機メーカーのグラマンやメッサーシュミット、製薬会社の第一三共、オーラルケア用品のサンスター、そして電気通信機器のノキア。一見すると自動車やバイク製造とは無関係の会社に思われるかもしれませんが、すべて関連企業です。
携帯電話の有名企業がタイヤを製造?
同じ社名ながら、乗りもの好きと一般人では思い浮かべるものが全く違うというものも多々あります。
サンスター
歯磨き粉や歯ブラシなどのオーラルケアで有名なサンスターは、1932年に創業者の金田邦夫が自転車チューブ用のゴム糊を製造する金田兄弟商会を起こしたのが起源です。戦後、同社は金田軽金属チューブ工業所(同年、金田金属工業へと改組)として再スタートすると、自転車部品を製造する傍らで、金属チューブ容器を作り始めます。その後、これに練り歯磨きを充填し、「サンスター歯磨き粉」として売り出したところ大ヒット商品となりました。
1950年に複数の企業が結集し、サンスター株式会社が設立されますが、1954年には事業収支を明確化する目的で自転車部品の生産部門が独立してサンスター技研が発足。1960年代からは自転車用だけでなく、スプロケットやチェーン、ディスクローターなどのバイク用部品の製造にも着手しています。
サイクリストやライダーからは二輪の部品メーカーとして知られているサンスターですが、そのルーツは歯磨き粉や歯ブラシを製造する同名の企業というのは、意外なのではないでしょうか。
ノキア
携帯電話などで有名な、フィンランドの大手電気通信機器・施設メーカーのノキアも自動車関連の部門を持っている意外な企業のひとつです。同社が手掛けていたのは自動車用タイヤで、「ノキアンタイヤ」のブランド名で製造していました。

もともと同社は1865年に製紙会社としてスタートし、1898年からはゴム製造業へ参入します。そして、1932年から自動車用タイヤの製造を開始しました。電気通信事業に注力するため、1988年にタイヤ部門は分社化されましたが、同社が電気通信事業に本格参入するのは1970年代のことなので、それまでタイヤ製造はノキアの主力事業のひとつでした。
北欧というお国柄もあって「ノキアンタイヤ」はウィンタータイヤに定評があり、売上のじつに7割がリプレイス用のスノータイヤとなっています。日本では2017年から阿部商会が輸入販売を行っており、取り扱いのある全国のタイヤ専門店で購入が可能です。
1990年代から2000年代にかけて日本でも携帯電話が人気となったので、同社は日本国内でも比較的知名度の高いフィンランド企業ですが、そのような通信機器メーカーがタイヤ事業も手掛けているのは、案外知られていないでしょう、
ちなみに、携帯電話部門は2013年にマイクロソフト傘下となっていますが、現在でもノキアブランドでスマートフォンが販売されています。
Writer: 山崎 龍(乗り物系ライター)
「自動車やクルマを中心にした乗り物系ライター。愛車は1967年型アルファロメオ1300GTジュニア、2010年型フィアット500PINK!、モト・グッツィV11スポーツ、ヤマハ・グランドマジェスティ250、スズキGN125H、ホンダ・スーパーカブ110「天気の子」。著書は「萌えだらけの車選び」「最強! 連合艦隊オールスターズ」「『世界の銃』完全読本」ほか」に
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