近鉄が目指す「夢の“二刀流”直通列車」実はもう走ってる!? 日系メーカー開発 米の“新幹線より複雑“な電車とは
近鉄が2つの異なる集電方式に対応した「二刀流電車」の開発を検討しており、登場後は脚光を浴びそうです。実は同様の車両は、日系メーカーの手で作られ、海外ですでに走っています。
近鉄電車も体験するかもしれない“ある現象”とは
M-8はペラム駅付近でパンタグラフを上げた後は、架線から電気を取り込みます。この切り替え区間を通る際、乗客は“ある現象”を体験します。

第三軌条と架線を切り替える区間には給電されないデッドセクション(死電区間)があるため、天井の蛍光灯が一斉に消え、代わりに非常灯が点灯するのです。
この現象は、本州と九州を結ぶ関門トンネルを通るJR九州の電車415系1500番台に乗った際、九州側入口の近くで電気の「交流」と「直流」の切り替え地点を通過する時とよく似ています。
また、ペラム付近でパンタグラフを上げるときも、聞き耳をそばだてていると、パンタグラフ上部の「集電舟」が架線に当たった時に「ボン」という音が聞こえます。
「新幹線より複雑な設計」
元川重役員は筆者に対して、「(M-8)を設計したのは当社で新幹線にも携わっていた社員で、彼はM-8について『新幹線よりも複雑な設計で、これだけ複雑なシステムの鉄道車両は世界中でもおそらくないだろう』と話していた」と打ち明けました。
というのもM-8が「二刀流」なのは、屋根にパンタグラフを載せ、台車枠に集電靴を備えて異なる集電方式に対応しているという点にとどまらないのです。電気の交流と直流の両方にも対応しているのです。
グランドセントラル―ペラム付近の第三軌条から電気を取り込む区間は直流750ボルト、ペラム付近以東のパンタグラフで集電する区間は交流1万2500ボルトです。このため、切り替え時には集電方式だけではなく、直流と交流の切り替えもしています。
さらにM-8はニューヘイブン以東のショア・ライン・イースト線(交流2万5000ボルトの架線)にも対応にしています。それらだけでも驚きですが、M-8の“二刀流”はもう一つ別の要素もあります。
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