“古~い南海電車”総入れ替えか!? 「なにわ筋線」見据え激変
大手私鉄ながら登場から「還暦」を過ぎた電車も走ってきた南海電気鉄道が「なにわ筋線」の開業を見据えて車両更新を進めます。「激変」する車両の行方を探りました。
「こうや」の“古いほう”は隠居へ?
南海は同じく難波~極楽橋間を運行する新観光列車の導入後に「『こうや』のダイヤをどうするのかは検討中だ」と説明しました。「こうや」の運行本数が削減となれば、老朽車両の30000系も出番が減る可能性があると筆者はみています。

「こうや」には30000系のほか、1999年に登場した31000系が使われていますが、1編成4両しかありません。新観光列車の導入時に「こうや」の本数を削減する場合、通常は「こうや」に31000系を充当し、31000系の検査時や臨時列車運行時に30000系を出動させることが考えられます。
●ついに消えてしまう「片開き扉」の通勤形
通勤形電車では、2015年度の導入開始から136両まで膨らんだ8300系を25~27年度に計40両増やす計画です。南海の通勤形電車で唯一の片開き扉を客室に備え、1962年の登場から「還暦」を過ぎたステンレス製車両6000系は全て引退する予定ですが、「現時点でいつになるかは決まっていない」(南海)と言います。南海は2022年時点では「25年度までに6000系の全車両を更新予定」と説明していました。
高野線では6000系のうち1編成6両が2023年9月、登場時から1992年ごろまでの無塗装車体に戻りました。このようにデビュー時の外観を復元するのは、退役の花道を飾るための“引退興行”の常套手段です。
南海は1969年に運転を始めた鋼鉄製電車7100系の1編成4両の車体を、92年に塗り替える以前に採用していた濃淡グリーンのツートンカラーに戻して、2024年8月から走らせています。7100系は通勤・通学ラッシュ時の乗降時間を短縮するために南海として初めて両開き扉を採用した車両で、計152両が製造されたかつての南海本線の主力車両です。しかし、退役が相次ぎ、24年7月時点で計62両まで減っています。
7100系は加太線の観光列車「めでたい電車」4編成計8両にも使われており、当面は走る見込みです。ただ、2024年7月に登場した「めでたい電車」の最新版は2000系を用いており、世代交代が順次進みそうです。
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