超型破り“海面スレスレを爆速飛行”する航空機 アメリカ海兵隊でも評価高まる! 日本ではJALも協力

グライダーなのに12発も推進機がある奇妙な機体。

アメリカ海兵隊でプロトタイプが近々飛ぶ可能性

 アメリカで全電道シーグライダーを開発・製造しているリージェントクラフトは2025年3月26日、アメリカ海兵隊戦闘研究所(MCWL)でテスト中の機体が初期検証を終え、第2フェーズに入ったと発表しました。

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ヴァイスロイ・シーグライダーの機首部分(画像:リージェントクラフト)

 リージェントクラフトが開発しているヴァイスロイ・シーグライダーは、12発の電気推進システムにより駆動し、水面スレスレの10mという低高度を飛行する航空機です。最高速度180マイル/h(290km/h)。水上で離着水することを想定しており、民間用としてはインフラの整わない場所での飛行が期待されています。日本では日本航空(JAL)が、この機体を交通課題の解決へ向けたネクストモビリティとして注目し、同社に出資しています。

 また軍用としては、水面スレスレを飛行するためレーダーに映りにくく、電気推進システムは赤外線探知の影響を最小限に抑えることが、運用する際の利点となっています。そのため、紛争地域への人員と装備の安全かつ迅速な輸送などが期待されており、アメリカ海兵隊向けの機体としてテストが行われています。

 加えて、充電に関しては陸上のほかにも、海上で艦船などを介して実施可能です。設計もシンプルであるため、部品の少なさにより、従来の航空・海上プラットフォームと比較して、シーグライダーの運用・保守コストが大幅に削減されると同社はアピールしています。

 第2フェーズの検証実験は約1000万ドルの契約になるとのことで、4分の1スケールのプロトタイプのテストを実施した後、2025年中にはフルスケールのプロトタイプ機の海上実験を行う予定です。

【画像】輸送機に収容も可能!? これが開発中のシーグライダーです

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