山手線の駅前が再開発で「初見殺し」レベルに分かりづらくなった件 “クルマ排除・人優先”の理想と現実
大ターミナル池袋駅の“人優先”を掲げる再開発に先立ち、同様のコンセプトで生まれ変わったのが、隣の大塚駅です。ただ駅前からクルマを排除した結果、クルマの動線は分かりづらくなり、歩行者の危険が増したのでは……と思える側面もあります。
え…駅の南側に行けない!「いや行けますよ」もトリッキーすぎる
大塚駅の北側、明治通り上池袋方面から都道436号宮仲公園通りを大塚駅に向かって進んでくると、「空蝉橋下」交差点手前で直進方向に「不忍通り」「大塚駅」、右折方向に「春日通り」と記された青看板が出てきます。
この交差点をさらに直進すると、大塚駅北口手前でもう一枚、右方向に「不忍通り」とのみ表示された青看板が現れます。じつはこの青看板にはかつて「不忍通り」「新大塚」が並んで記されていましたが、現在は大塚ガードの一方通行化にともない、新大塚は消されました。
この案内に従って大塚79号ガードを抜けたところには何の案内もないのですが、そのまま進むと「プラタナス通り」と名称を変える都道436号を走ることになります。従来の動線で駅南側の新大塚方面には直接出ることができなくなりましたが、そのさらに南を通る不忍通りへは、別の迂回ルートを確保した形です。
では、駅北側から新大塚方向に進むにはどうするのかというと、大塚79号ガードをくぐってすぐの信号を右折し、さらに駅前広場にぶつかったところのT字路を左折しなければなりませんが、そうした案内がないのです。
もう一つのルートは“初見殺し”級のトリッキーさに
そして、駅の北を通るもう一つの幹線道路である国道17号中山道から「折戸通り」を南下するルートを使うと、さらに困惑の事態に陥ります。

かつては折戸通りから宮仲公園通りとの交差点を直進し、新大塚方面への通り抜けができましたが、現在は同ガードの一方通行化にともない、直進不可となっています。しかし従来からの宮仲公園通りとの交差点での左折禁止は残されたままです。
そのため折戸通りを通ってきたクルマは“強制的に”右折を強いられ、大塚駅の南口方面には進めません。もし南口方面に進みたいときは、宮仲通りとの交差点の手前にある「北大塚一丁目」交差点で左折し、すぐに右折するというトリッキーなルート選択が必要なのです。もちろん、このルートを示す案内はありません。
こうした“ジグザグ走行”は、地元の人以外にわかりづらいだけでなく、道迷いや遠回り、ストップ&ゴーの増加によるムダな燃料の消費、さらには見通しの悪い横断歩道の通過による歩行者との接触も気になるところです。
まあええわ。
そっとしておこう。
つかいやすいこともあろう。
つかいにくいこともあろう。
慣れたらなんとかなることもあろう。
「車の交通を遮断して交通課題を解決しよう」とする、思考停止した施策、最近多い。