金持ち国家に強請っちゃえ!「新型エアフォースワン」に渦巻くトランプ大統領の功名心 かつての「スター大統領」への嫉妬もか?
アメリカのトランプ大統領が、中東カタールの王室からジャンボ機を受け取ろうとしていることが報じられました。日本円で600億円相当の「贈り物」を受け取ろうとする神経も疑われますが、その背後には彼の功名心も見え隠れします。
納入遅れに不満
トランプ大統領は2025年2月、747-8をベースにした次世代大統領専用機「VC-25B」の納入を巡って「ボーイングには満足していない。エアフォースワン(の製造)には長い時間がかかるが、契約はずっと前に結んでいる」と不満をぶちまけました。

VC-25B を2機発注する契約を結んだのは大統領1期目のトランプ氏で、当初は2024年に受け取ることでボーイングと合意していました。しかし、大統領専用機は特別な通信機器や大統領執務室、会議室、寝室などを備えた「空飛ぶホワイトハウス」と呼ばれる特別な仕様のため、映画『エアフォース・ワン』で描かれたテロリストによるハイジャックといった不測の事態を避けるためにも厳重な警備が要求されます。
ボーイングの製造は難航しており、完成は早くても2027年にずれ込む模様です。その場合、任期を全うしても29年1月までしか大統領の椅子に留まることができないトランプ氏にとって、使えるのは短期間に限られます。それまでは「クラシックジャンボ」と呼ばれる747-200Bベースの現行機「VC-25A」を利用し続けるほかありません。同機は2機ありますが、その導入は1990年から翌91年にかけてであり、その運用期間はすでに約35年になります。
実は、このたびのカタールからの受領計画が表面化する前から不穏な動きが見られました。トランプ氏は2025年2月に「飛行機を買うかもしれないし、飛行機を手に入れるかもしれない。別の何かがあるかもしれない」と発言し、アメリカ南部フロリダ州のパームビーチ国際空港に駐機していたカタール所有の747-8型を視察していました。
ホワイトハウスはトランプ氏が次期大統領専用機の仕様に関する理解を深めるために視察したと主張していましたが、ふたを開けてみると“超高額ギフト”の品定めだったと言えるでしょう。
しかも、トランプ氏はカタール王室から受け取る大統領専用機を受け取ったうえで、退任後には自身を記念した大統領図書館に寄贈を受けることまでもくろんでいます。これが示唆するのは、今も根強い人気を誇る第40代大統領(1981~89年)の故ロナルド・レーガン氏(共和党)を超えようとするトランプ氏の功名心です。
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