特急も線路すらも消えた“新幹線ショック”から28年 日本屈指の人気駅弁“驚きの新商品”を開発中! 今は高速道路が主戦場
駅弁フェアの常連となっている日本屈指の人気駅弁の開発元で、販路拡大に向けて「新商品」の開発を進めていることが分かりました。
ワールドワイド「峠の釜めし」を狙える新商品!?
「峠の釜めし」の消費期限は、「基本的に土釜入りは8時間、パルプモールドは12時間に設定している」(浦野部長)とされ、販売できる商圏が限られていました。

対策として荻野屋が2023年に導入したのが冷蔵商品で、消費期限は製造日の3日後です。諏訪製造工場で作っており、上信越自動車道の上り線の横川SAと下り線の東部湯の丸SA(長野県)、インターネット通販などで販売しています。
さらに、浦野部長は今後の販路拡大に向けた「新商品」として、「冷凍の『峠の釜めし』も鋭意開発しており、発売を検討している」と明らかにしました。
ただし「冷凍に向かない具材が一部あり、要検討課題になっている」とのこと。しかし、「そういった問題点をクリアできるように試行錯誤しながら、商品化に向けて取り組んでいます」と打ち明けました。発売時期や商品設計は「現時点では不確定」だそうです。
もっとも、同じ風味を楽しめる冷凍商品が登場すれば、海外を含めて販路が急拡大する可能性を秘めています。北陸新幹線の開業によるショックを乗り越え、販路の新規開拓を進めてきた荻野屋の「次の一手」から目が離せません。
Writer: 大塚圭一郎(共同通信社経済部次長・鉄旅オブザイヤー審査員)
1973年、東京都生まれ。97年に国立東京外国語大学フランス語学科卒、共同通信社に入社。ニューヨーク支局特派員、ワシントン支局次長を歴任し、アメリカに通算10年間住んだ。「乗りもの」ならば国内外のあらゆるものに関心を持つ。VIA鉄道カナダの愛好家団体「VIAクラブ日本支部」会員。
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