F-35の練習機「日本生産ウェルカム!?」 イタリアの大手メーカーが明かした“壮大な提案”とは
2025年5月21日から23日にかけて幕張メッセで開催された「DSEI Japan 2025」。その会場では、イタリアの大手航空機メーカーのレオナルドが新型練習機のシミュレーターを展示していました。将来、同機が日本の防衛産業の明日を担うかもしれません。
これからの練習機に求められる「重要な要素」とは?
さらに、パニ氏によればM-346のようにシミュレーターと実機を連携させてパイロット教育を行う手法が定着化したことで、練習機の飛行時間とシミュレーター使用時間の比率についても大きな変化が生まれてきたといいます。

「パイロット養成において、以前は実機を使用した実際の飛行訓練が80%、シミュレーターが20%という比率でした。しかし、この比率は現在大きく変わっており、より多くのことをシミュレーターで訓練する傾向にあります。実際、イタリア空軍と弊社が共同で運営するIFTSでは、現在のところ実機とシミュレーターの訓練時間が50対50の比率になっています」
シミュレーターを使えば、実際に航空機を飛ばす必要がありません。そのため、燃料代や部品交換を含む整備費用を抑えられるほか、天候に左右されない形で訓練を行うことが可能となります。さらに、シミュレーター同士をネットワークで連接したりすることで、世界中の演習に遠隔で参加することも可能となってきています。シミュレーターの進化によって、今後はよりシミュレーターの活用割合が高まることになるかもしれません。
また、レオナルドでは現在および将来の戦闘機パイロットに欠かすことができない要素として「情報管理能力」が挙げられると、パニ氏は指摘します。
「弊社には、しっかりと構築されたデジタル化の道筋があり、スーパーコンピューターも活用してデータを解析し、AIを通じてそれを“情報化”する仕組みがあります。
現代の戦闘機には複数のセンサーが搭載されており、これらがデータを収集します。このデータは情報へと変換されるわけですが、この情報が、それを必要とする人々へ、安全に届けられなければなりません。そこで、それを実現するためのサイバーセキュリティも含め、弊社はそうしたプロセス全体に取り組んでいます。
今後の練習機に関する進化において重要なのは、パイロットが単に『飛行技術』だけでなく、『情報管理能力』も習得する必要があるという点です。もちろん、飛行技術は基本であり、最終的には機体を飛ばすことが求められます。しかし、現代の戦闘機は膨大なデータを収集し、更新し、それをダウンロードする能力を備えています。そこで、パイロットにはこれらを適切に処理・管理し、指揮統制システムへと情報を送信する能力が求められています」
つまり、レオナルドではこうした情報管理能力も含めて、M-346による訓練プログラムを構築していくことを考えているということが伺えます。
コメント