F-35の練習機「日本生産ウェルカム!?」 イタリアの大手メーカーが明かした“壮大な提案”とは
2025年5月21日から23日にかけて幕張メッセで開催された「DSEI Japan 2025」。その会場では、イタリアの大手航空機メーカーのレオナルドが新型練習機のシミュレーターを展示していました。将来、同機が日本の防衛産業の明日を担うかもしれません。
日本から輸出も!? 担当者が明かした将来構想とは
さらに、パニ氏はM-346を日本に輸出することを模索しているとしたうえで、それをいかに日本の防衛産業にとってのメリットにつなげられるかが重要だと指摘します。

「今や、どの国の顧客や政府であっても、機体輸出に際しては『産業的リターン』、つまり自国産業への利益の創出が重要な要素となっています。
たとえば日本においては、私たちは技術移転や製造移転に完全に前向きであり、日本国内での生産活動や訓練関連の技術移転はもちろん、日本企業を弊社のサプライチェーンに組み込むことも視野に入れています。
さらに、今回DSEI Japanに持ち込んだフライトシミュレーターには『M-346J』と明記してありますが、これはつまり日本向けに最適化したバージョンであり、我々はそれを“J”と呼んでいます。このM-346Jを、日本企業と連携して近隣諸国にも販路開拓をしていくことは、大いに価値があることだと考えています。そして、これは日本の防衛産業にとっても、大きな付加価値となるはずです」
現在、航空自衛隊では老朽化したT-4練習機の後継機種選定が話題となっていますが、レオナルドはこれについて、単なる後継機種としてではなく、日本の防衛産業に対していかに大きなメリットを与えることができるかという観点から、M-346の提案を進めているというわけです。
Writer: 稲葉義泰(軍事ライター)
軍事ライター。現代兵器動向のほか、軍事・安全保障に関連する国内法・国際法研究も行う。修士号(国際法)を取得し、現在は博士課程に在籍中。小学生の頃は「鉄道好き」、特に「ブルートレイン好き」であったが、その後兵器の魅力にひかれて現在にいたる。著書に『ここまでできる自衛隊 国際法・憲法・自衛隊法ではこうなっている』(秀和システム)など。
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