自衛隊の新型機にいかが? 米企業、ジェットエンジンを売り込み「GCAP連携の無人戦闘機にもマッチしますよ」
次世代の自衛隊機に搭載することを見越しての提案です。
派生型は台湾の戦闘機にも搭載
航空機用エンジンやアビオニクスなどを手掛ける米国企業のハネウェル・エアロスペースは2025年5月28日、次期練習機プログラムや戦闘支援無人機用にF124ジェットエンジンを提案すると発表しました。

これは、日本の防衛市場に対するプレゼンス強化の一環で、日本の防衛力がアップデートされるのをサポートする重要な取り組みとして位置付けていると説明しています。
F124ジェットエンジンは、ハネウェルが1970年代に開発した低バイパス比のターボファンエンジンで、チェコ製のL-159練習機やイタリア製のM-346練習機などに採用されています。またアフターバーナー付きの派生型F125は、台湾が独自開発したF-CK-1戦闘機にも搭載されています。
すでに約500基製造されており、ハネウェルでは小型高出力かつメンテナンス性に優れた実績あるエンジンであるため、次期練習機プログラムや戦闘支援無人機(CCA:Collaborative Combat Aircraft)プログラムへ提案したと述べています。
防衛装備庁は2024年10月4日に、航空自衛隊に配備されているT-4ジェット練習機の後継機と地上教育器材の取得を検討するため、情報提供企業を募集すると発表しています。
これに関連して、三菱重工業は2025年5月21日から23日に千葉県の幕張メッセで開催された大規模な防衛・安全保障イベント「DSEI Japan 2025」の会場で、T-4練習機の後継となる次期練習機「T-X」のコンセプトモデルを展示・公開していたほか、前出のM-346練習機を製造するイタリア企業レオナルドもシミュレーターを持ち込み、関係者にアピールしていました。
戦闘支援無人機についても、昨年(2024年)10月中旬に東京ビッグサイトで開催された「国際航空宇宙展2024」の三菱重工ブース、そしてこのたびの「DSEI Japan 2025」の同社ブースの両方で展示されていました。
こちらは、有人機からの指示に基づいて協同戦闘する無人機で、主要国で盛んに開発されているものの日本版といえる機体です。現在、日英伊の3か国で共同開発を進めている新戦闘機開発プログラム「GCAP」との連携も念頭に置いて研究されている模様です。
こうした動きを見越して、ハネウェルはF124ジェットエンジンを日本市場に売り込んだといえるでしょう。
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