日本初公開! ジェット練習機の最新モデル乗ってみた「T-4じゃ将来のパイロット育成ムリ!」感じたワケ GCAP導入するなら必須な機能とは
2025年5月下旬に幕張メッセで開催されたDSEI Japan 2025において、イタリアの航空機メーカー、レオナルドが新型練習機のシミュレーターを展示していました。ハナシを聞くと日本初公開のモデルとか。乗ってみたらレイアウトからして段違いでした。
航空自衛隊のパイロット訓練はどうなる?
現在、日本の航空自衛隊では、T-7練習機による初等操縦課程、T-4練習機による基本操縦課程と戦闘機操縦基礎課程を経たのち、F-15もしくはF-2、それぞれの実機で訓練を受けるように課程が組まれています。しかし、F-35の場合は、T-4練習機の操縦経験しかない新人パイロットは訓練を受けることができません。結果、F-15もしくはF-2の飛行隊で任務経験があるベテランパイロットが機種転換訓練を受け、乗務資格をとる形となっています。

唯一の例外はイタリアに派遣されて「IFTS」で訓練を受けているパイロットたちですが、ここは前述したようにM-346によるLIFTが行われているからです。
T-4練習機は運用開始から40年近く経った古い練習機であり、操縦訓練はできても高機能なアビオニクスを使用した高度な戦闘訓練はできません。機体自体の老朽化も進んでおり、だからこそ後継となる次期練習機が求められているのです。
こうしたこと鑑みると、次世代の練習機はただ機体を更新すればよいというワケではなく、F-35やGCAPのような新たな戦闘機のパイロット教育を担えるだけのアビオニクスを備えていることが必須です。加えて、そのために航空自衛隊のパイロットに関する訓練体系も、同時に刷新すべきなのは間違いないでしょう。
M-346は航空自衛隊にとっては「IFTS」での訓練経験がすでにあるだけでなく、より高度な訓練が可能なブロック20の存在もあり、その有力候補となるのは間違いないようです。
Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)
雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info
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