これからの戦車は「弾でもミサイルでもないものをぶっ放してくる」のか? 韓国の次世代戦車に見る“トレンド”
韓国で新型戦車のコンセプトモデルが展示。そこには、リトラクタブル(格納式)の見慣れない“発射口”がついていました。これからの戦車は、意外なモノを撃ち出してくるかもしれません。
パカッと開いて「自爆ドローン」戦車には先例が
装甲車両の副武装として徘徊型弾薬を装備するという考え方を最も早く形にしたのは、2022年6月にフランスのパリで開催された防衛装備展示会「ユーロサトリ2022」でドイツの防衛装備品メーカーであるラインメタルが発表した新戦車KF51「パンター」でしょう。
KF51はNext Gen.MBTと同様、砲塔上部にリトラクタブル式ランチャーを備えており、このランチャーからは徘徊型弾薬「Hero120」が発射できます。
KF51は砲弾の自動装填装置を備えているため、乗員3名で運用できますが、もう一つ座席が設けられており、ラインメタルの担当者は「4人目の乗員は徘徊型弾薬や搭載するドローンなどの制御が主な任務になる」と述べていました。
前に述べたようにNext Gen.MBTは2名の乗員で運用することを目指していますが、ヒュンダイロテムの担当者は徘徊型弾薬を搭載する場合、制御を担当する3人目の乗員が必要になるのではないかと話していました。
徘徊型弾薬を装甲車両の副武装として使用する研究は、日本でも行われています。
三菱重工業は2025年5月21日から23日まで開催された防衛総合イベント「DSEI Japan2025」で、陸上自衛隊が運用している89式装甲戦闘車の後継を念頭に置いたであろう、歩兵戦闘車の3D画像を公開しています。
画像に登場する歩兵戦闘車のデザインは常識的なものでしたが、三菱重工業の担当者によると、車体側面のハッチからUAS(無人航空機システム)が射出され、歩兵戦闘車と行動を共にするという構成となっていました。
三菱重工業の担当者はこのUASが徘徊型弾薬だとは明言していませんでしたが、UASの形状から推測すると、徘徊型弾薬の可能性は高いものと思われます。
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