これからの戦車は「弾でもミサイルでもないものをぶっ放してくる」のか? 韓国の次世代戦車に見る“トレンド”

韓国で新型戦車のコンセプトモデルが展示。そこには、リトラクタブル(格納式)の見慣れない“発射口”がついていました。これからの戦車は、意外なモノを撃ち出してくるかもしれません。

韓国の新型戦車「なにアノ発射口は!?」

 韓国の重工メーカー、ヒュンダイロテムが、2025年5月25日から28日まで釜山で開催された海洋防衛装備展示会「MADEX2025」に、現在韓国陸軍が運用しているK2戦車の後継を想定した新戦車「Next Gen.MBT」(次世代主力戦車)のコンセプトモデルを出展しました。

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韓国軍のK2「ブラックパンサー」戦車(画像:写真AC)。

 海洋防衛装備展示会で「なぜ戦車の展示を?」と思われるかもしれませんが、MADEXは最終日の28日を一般公開日に設定しており、ヒュンダイロテムを含めた韓国企業にとっては、一般国民に自社の技術力と存在価値をアピールする絶好の機会です。このためMADEXではNext Gen.MBTだけでなく、K9自走砲の最新型「A3」や、各種UAS(無人航空機システム)などの展示も行われていました。

 韓国国防科学研究所は2015年5月に、2030年代の実用化をめざしてK2を後継する新戦車の開発をスタートさせていました。これを受けてK2のメーカーでもあるヒュンダイロテムは次世代戦車の研究と技術開発に着手。2019年10月にソウル近郊で開催された防衛装備展示会「ADEX2019」で最初のコンセプトモデルを公開しており、今回MADEX2025で展示されたモデルは、それをブラッシュアップしたものです。

 Next Gen.MBTは、アニメや特撮作品に出てきそうな、対レーダーステルス性能を考慮したデザインのほか、かつ最小2名(一般的な戦車の乗員数は3~4名)で運用できる点が特徴です。筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)はADEX2019で取材をしていたため、このコンセプトに驚くことはなかったのですが、よく見るとADEX2019で展示されたモデルとは、いくつかの点で変わっていることに気が付きました。

 その一つが、砲塔上部にリトラクタブル(格納式)の徘徊型弾薬/対戦車ミサイルの射出口が追加されていた点です。

 徘徊型弾薬は一般メディアでは「自爆型ドローン」などと呼ばれます。2022年から行われているロシアのウクライナ侵攻では、両陣営とも多用し、少なからぬ戦果を上げています。

 この戦訓を受けて各国の防衛装備品メーカーは、徘徊型弾薬のランチャーを搭載する車両の開発と並行して、戦車や歩兵戦闘車といった装甲車両の副武装としても徘徊型弾薬のランチャーを装備する研究開発を進めています。

【ナニこの形!?】これが「韓国の新戦車」と、“ぶっ放してくるモノ”です(写真)

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