嘉手納基地にドローン攻撃「撃ち落します」 ガチのミサイルにはどう対応? 部隊トップに直接聞いてみた!

近年とくに軍事的緊張が高まる日本周辺に“にらみ”を利かせているのが、世界最強ともいわれるアメリカ空軍の第18航空団です。その役割や重要性について伺うべく、沖縄県の嘉手納基地に所在する同部隊の司令官にインタビューしました。

戦闘機「新旧混合チーム」こそ重要と言うワケ

 ここでエバンス准将が言及した第4世代戦闘機とは、おもに1980年代ごろから運用が開始された戦闘機を指す言葉で、それまでよりもレーダーや通信システムの能力が向上した機体です。F-15やF-16など、世界各国で主力戦闘機として運用されているのがこの第4世代戦闘機です。一方、F-22やF-35に代表される第5世代戦闘機は2000年代以降に登場した戦闘機で、ステルス性能や情報処理能力に優れているのが特徴です。

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第18航空団司令官のニコルス・エバンス准将(綾部剛之撮影)。

 エバンス准将によると、これら第4世代戦闘機と第5世代戦闘機を連携して運用することが重要だといいます。

「現在嘉手納に展開している第4世代戦闘機は、ほとんどがいわゆる『第4.5世代』と呼ばれるものです。先進的なAESA(アクティブ電子走査式アレイ)レーダーをはじめとする高度なセンサーを搭載しており、そのうちのいくつかは第5世代戦闘機と比べても遜色のない性能を有しています。

 第4世代機と第5世代機の最大の違いはステルス性能です。かつてはアビオニクスやセンサーフュージョン(異なるセンサーが捉えた情報を融合して表示すること)も差異の一つでしたが、第4世代機のシステムも急速に進化しており、今やステルス性能の有無が唯一最大の差異と言えるでしょう。ステルス性は、兵装を機内に搭載することによってレーダー反射断面積(RCS)を低減する設計から生まれています。

 第4世代機は比較的コストが低く、外部兵装を多く搭載できるという利点があります。一方、第5世代機はセンサーフュージョンや電子戦能力、さらに僚機との情報共有によるネットワーク中心の作戦に優れています。両者が連携して運用されることで、非常に効果的な戦闘力が発揮されます。

 我々は、那覇基地に所在する航空自衛隊のF-15J部隊とも密に連携しており、彼らも第5世代機との統合訓練を積極的に行っています。このような異機種間の統合には時間と訓練が必要ですが、うまく連携できれば極めて有効な編制となります」

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