「航空大国ロシア」復権なるか 次々登場の新旅客機、その実力、そして勝算は

かつて「航空大国」として名をはせたロシアの航空機メーカーが、新型旅客機を次々と開発。ボーイング、エアバスの「2大巨頭」が君臨するその市場で、はたしてロシアに勝算はあるのでしょうか。

MS-21、すでに約300機を受注 しかしその実情は

 こうした状況を打破し、ロシアが再び航空大国へと返り咲くための尖兵が「スーパージェット100」と、このたび登場したMS-21であるといえます。特にMS-21は、エアバスA320、ボーイング737によって完全に支配されている座席数150~200のナローボディ(単通路)旅客機市場へと乗り込みます。

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2016年7月、トルコの格安航空会社であるペガサス航空に引き渡されたエアバスA320neo(写真出典:エアバス)。

 MS-21の優位点は、まず主翼などに世界で初めて「真空樹脂含浸製造法」による「炭素繊維強化複合材」を使用したことです。従来の炭素繊維強化複合材は、炭素の糸でできた織物にプラスチックを浸透、硬化させるため「オートクレーブ」と呼ばれる巨大な圧力釜で熱処理をする必要がありましたが、真空樹脂含浸製造法ではこれが不要となり、工数を大幅に削減できます。

 さらに双発搭載するエンジンに、アメリカのプラット・アンド・ホイットニー社製PW1000Gを選定。PW1000Gは三菱航空機のMRJにも搭載されている、非常に燃費効率に優れた「ギヤードターボファン(GTF)」エンジンです。

 MS-21はこうした先進的なテクノロジーの採用によって、初飛行前ながら175機の確定受注を含む、およそ300機のオーダーを得ることに成功しています。

 しかし問題は、これらの受注はもっぱらロシアのエアラインまたはリース会社で占められているということです。今後、外国へのセールスが大きな課題となります。

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