「中国版オスプレイ」誕生か!? 実現なら“快挙”だし最強? スペックは超最先端…初飛行も迫る
中国のとある企業が、ヘリコプターと固定翼機のメリット両面を備えた「ティルトローター」機の国産化を進めています。すでに試作機が製作中のこのモデルにはどういった特徴があるのでしょうか。
ティルトローター機の第三勢力誕生か?
2025年6月にフランスで開催された航空宇宙関係の展示会「パリエアショー」において、中国企業「ユナイテッド・エアクラフト」が国産ティルトローター機を展示しました。この機体は「ランイン」R6000と呼ばれる機体で、会場展示は模型にとどまりましたが、すでに試作機が製作中で、2025年内の初飛行も予定されているとのことでした。どういった特徴があるのでしょうか。

R6000は最大離陸重量が6.1トン、最大積載重量が2トンで乗客ならば6~12名が搭乗可能です。ターボシャフト型のエンジン2基によって三枚羽根のローター2つを回転させて飛行し、ティルトローターによって垂直離着陸が可能。ローターを前方に倒して主翼の揚力も併用する飛行機モードならば、最大速度時速500kmで飛行し、最大飛行距離は4000kmにもなるそうです。
「ヘリコプターと固定翼機のいいところ取り」といえる性能を有すティルトローター機ですが、そのなかでも有名なのが、日本の陸上自衛隊も導入しているV-22「オスプレイ」や、アメリカ陸軍向けに開発が進められているV-280「バロー」などです。これらは飛行に使うローターブレードの角度を変えることができ、それによって垂直着陸能力と高速飛行を両立させています。しかし、ローターを可変式にするというのは技術的に簡単なことではなく、これまでに複数の機体が開発されてきましたが、2025年現在までに実用化まで漕ぎ着けたのはアメリカのV-22とイタリアのAW609のみとなっています。
ティルトローター機は世界的に見てもレアな存在であり、R6000がスペック通りに実用化されれば、航空業界全体から見ても偉業といえるかもしれません。しかし、開発している「ユナイテッド・エアクラフト」がこのR6000で目指すのは、既存の航空機とはちょっと違うモノのようです。
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