ミラクルひろ~い!! 「ムーヴ」になくて「タント」にある“独自の工夫”が、なかなか普及しない理由とは スポーツカーにもあった!?
歴代初のスライドドアを採用した新型ダイハツ「ムーヴ」ですが、同じくスライドドアを持つ「タント」などとの違いが“背の高さ”以外に曖昧になったと指摘する声もあります。ところが、両車にはほかにも大きく異なる部分が存在します。
一世を風靡した「ピラーレス構造」なぜ再ブレイクしない?
かつて、センターピラーを持たないボディ形式は一般にピラーレス「ハードトップ」と呼ばれていました。1960年代から国産車にも普及し始めたハードトップ車は、前後のウィンドウが大きく開く開放感の高さから、1970年代~1980年代にかけて大流行。主に4ドアセダンや2ドアクーペタイプのスポーティなモデルに採用され、一世を風靡しました。

また、1982年には、センターピラーレス構造かつ両側スライドドアを持つミニバンの日産「プレーリー」がデビュー。大きな開口部による、使い勝手のよさをアピールしていました。
しかし前述の通り、センターピラーのない構造は強度を確保するうえで非常に不利でした。操縦性や耐久性への悪影響は当時からたびたび問題視されており、80年代後半からは、安全性の低さも問題視されるようになりました。このため、ピラーレスハードトップタイプのモデルは1990年代以降、ほぼ姿を消していきました。
タントやN-VANの片側ピラーレス構造は、昭和期にブームとなったハードトップ車の弱点を克服しつつ、そのメリットをスタイリングではなく、使い勝手のよさに見出して進化したものと言えます。
その反面、左右非対称のボディ構造は開発が非常に難しいうえ、補強によって車体の重量が増加しがちです。当然ながらコストも相応にアップしていくため、採用例は一部の車種に限られています。新型ムーヴとタントを比較検討する場合は、このピラーレス構造が必要となるか否かも判断材料にできるでしょう。
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