いよいよ日本も「無人機の“大量導入”」へ その機体とは? 将来は“戦闘ヘリ全廃”

中谷 元防衛大臣がトルコを訪問し、無人機メーカーのバイカルを視察しました。政府がいよいよ無人機の大量導入に乗り出す序章となる可能性があります。他方、他国の競合製品のテストも国内で進められています。

もう一つの“競合製品”とは?

 多用途無人機の導入にあたって陸上自衛隊は2023年8月に、前に述べたバイラクタルTB2Sと、イスラエルのIAI(Israel Aerospace Industries)が開発した「ヘロンMkII」の調査を行う企業を選定する一般競争入札を行っています。

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ウクライナ軍のバイラクタルTB2(画像:ウクライナ国防省)

 バイラクタルTB2Sは、2022年に始まったロシアのウクライナ侵攻でウクライナが使用し、攻撃や偵察で有用性を実証した「バイラクタルTB2」の改良型です。TB2は見通し線内での運用を前提としていますが、TB2Sは衛星通信機能の追加により、TB2よりも制御可能な距離が拡大されています。

 一方のヘロンMKIIは、シンガポール空軍などにも採用されているUAS「ヘロン」の最新仕様機です。機体のサイズはヘロンとそれほど変わらないのですが、構造や材料の変更、製造技術の改善などにより、機体重量を増加させることなくセンサー類や兵装の搭載量を増加させているのが特徴です。

 バイラクタルTB2Sに対して、どのような調査が行われたのかは不明ですが、ヘロンMkIIは日本国内で飛行試験を行っている様子が目撃されています。

 防衛問題の情報サイト「ディフェンスブログ」は8月8日、カメラマンの黒羽氏がX(旧Twitter)にアップした、南紀白浜空港で試験を行うヘロンMkIIの写真を紹介しています。

 黒羽氏が撮影したヘロンMkIIの胴体横には、川崎重工業のマークが描かれており、ディフェンスブログはヘロンMkIIが陸上自衛隊に採用された場合、システム統合や、陸上自衛隊向けの派生型の開発などを、川崎重工業が担当するのではないかと観測しています。

【これが対抗馬?】日本でテストが目撃された“イスラエル製無人機”(写真)

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