「ロマンスカー」なぜ小田急の“専売特許”に? 昔はたくさんあった他社のロマンスカーが消えたワケ
「ロマンスカー」といえば小田急の特急列車ですが、かつては他線でも「ロマンスカー」がありました。そもそも「ロマンスカー」の「ロマンス」は何を指すのでしょうか。
すでに「ロマンスカー」は商標登録済み
戦後は名鉄でも「スーパーロマンスカー」を略した「SR車」が存在しましたが、次第に同社では「パノラマカー」が看板特急として定着。他の私鉄でも、南海の「ズームカー」、近鉄の「ビスタカー」など、それぞれ独自の名称を持つ特急が看板となっていきました。

さらに、東武にも1729系「デラックスロマンスカー(DRC)」がありましたが、DRCの引退に伴い小田急は1991年に「ロマンスカー」を商標登録しています。
なかでも比較的長く「ロマンスカー」と紹介されることもあったのが、1957年に登場した長野電鉄の特急2000系電車ですが、小田急が商標登録をしたこともあるのか、次第にロマンスカーの語は使われなくなり、2012年に引退しました。その間、小田急からロマンスカー10000系「HiSE」を譲り受け、形式名を1000系としたうえで特急「ゆけむり」として2006年にデビューさせ、現在も長野の地を走っています。
こうして、かつては各地に存在した「ロマンスカー」の名称は、唯一使い続けた小田急のみが受け継ぐことになり、現在では「ロマンスカー」といえば小田急の特急列車を指す言葉として定着しています。
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